ツマンスキー R-29
ツマンスキー R-29は1970年代初頭にツマンスキー設計局によって開発されたソビエト連邦の航空用ターボジェットエンジンである[1]。高推力重量比で空冷式タービンブレードが採用された全体的に"第3世代"のソビエト製ガスタービンエンジンとして記述される[2]。
派生型
編集- R-29-300
- 原型はMiG-23MFとその派生機種に使用された。[3]
- R-29B-200
- MiG-27用に単純化されたエンジン[3]。
- R-29PN
- 先進的な派生型で非輸出型の-300によって換装された[3]。
- R-29BS-300
- ギアボックスを改良したモデル。輸出型のSu-17(Su-22)に使用された[3]。
- WP-15
- 中国でのデッドコピー型。中国は1978年8月にエジプト空軍にJ-6とJ-7戦闘機を友好価格(当時それぞれ僅か100万USドル)で売却した見返りにMiG-23MSを受領した。1979年3月10日機体の分析と並行して同機が搭載していたR-29エンジンをリバースエンジニアリング方式によって国産化し、搭載することが可能であるかの研究を601研究所に命じた。検討の結果開発が難航していたWS-6よりも搭載する機体(殲撃13/J-13)の性能が向上し、実用化の面でも確実であると推測されたことから、1980年5月に正式にJ-13のエンジンとして選択された。しかし、信頼性に関する問題が解決できず、1981年3月に機体ともども開発は中止された[5]。
搭載機
編集仕様諸元
編集一般的特性
- 形式: ターボジェットエンジン
- 全長: 4,991 mm (196.5 in)
- 直径: 968 mm (38.1 in)
- 乾燥重量: 1,760 kg (3,880 lb)
構成要素
性能
- 推力: アフターバーナー使用時12,480 kg (27,510 lb) (アフターバーナー未使用時9,900 kg (21,800 lb))
- 全圧縮比: 12.9:1
- 空気流量: 105 kg/s
- 出力重量比:
出典: Gunston
関連項目
編集類似のエンジン
出典
編集脚注
編集- ^ Gunston 1989, p. 168.
- ^ Sosounov, V.A. (1990). The Development of Aircraft Power Plant Construction in the USSR and the 60th Anniversary of CIAM. AlAA/ASME/SAE/ASEE 26th Joint Propulsion Conference, July 16–18, 1990. Orlando, Florida. AIAA-90-2761.
- ^ a b c d TMKB Soyuz R29-300 (subscription required). Janes Aero Engines. Edited: 1 April 2010. Retrieved: 8 September 2010.
- ^ Suchoj Su-24 (‘Fencer A/B/C’) / T-6
- ^ J-13戦闘機(殲撃13)
文献
編集- Gunston, Bill. World Encyclopaedia of Aero Engines. Cambridge, England. Patrick Stephens Limited, 1989. ISBN 1-85260-163-9