デッティンゲン・テ・デウム
『デッティンゲン・テ・デウム』(Dettingen Te Deum)HWV 283は、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが1743年に作曲した教会音楽。「テ・デウム」の英語版を歌詞とする。
ヘンデルは『ユトレヒト・テ・デウム』(1713) や『シャンドス・テ・デウム』(1720ごろ) など、いくつかのテ・デウムを書いているが(いずれも英語作品)、その中でもっともよく知られる。
概要
編集1743年6月27日のデッティンゲンの戦いでジョージ2世が勝利したことを記念して作曲された。ほかに『デッティンゲン・アンセム』HWV 265も書いている。同年11月27日の戦勝祝賀行事で初演されたが、大変に盛大な音楽で、高く評価された[1]。
歌詞は聖公会祈祷書の「Te Deum Laudamus」[2]による。
ヘンデルの没後も忘れ去られなかった作品のひとつである[3]。
構成
編集ソプラノ2、アルト、テノール、バスによる混声5部合唱で、一部の曲に独唱がある。管弦楽にはトランペット3、ティンパニ、オーボエ2、ファゴット、弦、通奏低音を含む。以下の曲の分け方はクリュザンダー版の目次によったが、異なる分け方もある。
- We praise Thee, O God(合唱)
- All the earth doth worship Thee(アルト独唱と合唱)
- To Thee all Angels cry aloud (合唱)
- To Thee Cherubim and Seraphim (合唱)
- The glorious company of the apostles (合唱)
- Thou art the King of glory, O Christ(バス独唱と合唱)
- When Thou tookest upon Thee(バス独唱)
- When Thou hadst overcome the sharpness of death (合唱)
- Thou sittest at the right hand of God(アルト、テノール、バスの三重唱)
- We therefore pray Thee (合唱)
- Make them to be number'd (合唱)
- Day by day we magnify Thee (合唱)
- Vouchsafe, O Lord (バス独唱)
- O Lord, in Thee have I trusted(アルト独唱と合唱)
演奏時間は約40分。
脚注
編集- ^ 渡部(1966) p.136
- ^ “The Order for Morning Prayer”. The 1662 Book of Common Prayer
- ^ ホグウッド(1991) p.442
参考文献
編集- クリストファー・ホグウッド 著、三澤寿喜 訳『ヘンデル』東京書籍、1991年。ISBN 4487760798。
- 渡部恵一郎『ヘンデル』音楽之友社〈大作曲家 人と作品 15〉、1966年。ISBN 4276220157。