トリアセチン

トリアセチン (Triacetin[5]) または1,2,3-トリアセトキシプロパンまたはグリセリン三酢酸は、トリアシルグリセロールである。グリセリン酢酸のトリエステルであり、トリホルミンに次いで単純な脂肪である。

トリアセチン
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識別情報
CAS登録番号 102-76-1 チェック
ChemSpider 13835706 チェック
UNII XHX3C3X673 チェック
E番号 E1518 (追加化合物)
KEGG D00384 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL1489254 ×
RTECS番号 AK3675000
特性
化学式 C9H14O6
モル質量 218.2 g mol−1
外観 油状液体
密度 1.155 g/cm3[2]
融点

-78 °C, 195 K, -108 °F (
at 760 mmHg[1])

沸点

259 °C, 532 K, 498 °F (
at 760 mmHg[1])

への溶解度 6.1 g/100 mL[1]
溶解度 エタノールに混和
ベンゼンジエチルエーテルアセトンに可溶[1]
蒸気圧 0.051 Pa (11.09 °C)
0.267 Pa (25.12 °C)
2.08 Pa (45.05 °C)[3]
屈折率 (nD) 1.4301 (20 °C)[1]
1.4294 (24.5 °C)[3]
粘度 23 cP (20 °C)[2]
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −1330.8 kJ/mol[4]
標準燃焼熱 ΔcHo 4211.6 kJ/mol[4]
標準モルエントロピー So 458.3 J/mol·K[4]
標準定圧モル比熱, Cpo 389 J/mol·K[4]
危険性
NFPA 704
NFPA 704.svg
1
1
0
Sフレーズ S24/25
引火点 138 °C (280 °F; 411 K)
発火点 430 °C (806 °F; 703 K)
半数致死量 LD50 1100 mg/kg (マウス, 経口)[2]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

利用編集

人工の化合物であり[6]、主に食品添加物として調味料の溶媒や保湿剤等に用いられる。E番号はE1518で、オーストラリアではA1518として承認されている。また、薬剤の賦形剤の用途では保湿剤・可塑剤・溶媒としても用いられる[7]

ディーゼル燃料に添加することで凍結温度と粘性が改善するほか、ガソリンに添加すればアンチノック剤としても機能するため、バイオディーゼル燃料の生産過程で大量に生成されるグリセリンからトリアセチンを合成してこれらの用途に用いることが考えられている[8]

1994年、5つの大手煙草メーカから、トリアセチンを599の煙草添加物の1つであるとする報告が発表された。トリアセチンは、フィルタに可塑剤として添加される[9]

ヒトの摂取カロリーの半分をトリアセチンに置き換えても安全だと考えられており、長期宇宙飛行ミッションにおける人工食物再生システムの食物エネルギー源の候補としても挙げられている[10]

安全性編集

アメリカ食品医薬品局は、トリアセチンを一般に安全と認められる(Generally Regarded as Safe、GRAS)食品添加物としている。ラットを用いた実験では、1日に体重1kgあたり5gを長期間投与しても悪影響は現れなかった。SCOGSのデータベースには、1975年から掲載されている[11]消防法による第4類危険物 第3石油類に該当する[12]

出典編集

  1. ^ a b c d e f Lide, David R., ed (2009). CRC Handbook of Chemistry and Physics (90th ed.). Boca Raton, Florida: CRC Press. ISBN 978-1-4200-9084-0. 
  2. ^ a b c MSDS of Triacetin”. http://www.fishersci.ca. Fisher Scientific. 2014年6月20日閲覧。
  3. ^ a b Woodman, Alan L., and Arnold Adicoff. (1963). “Vapor Pressure of Tiracetin, Triethylene Glycol Dinitrate, and Metriol Trinitrate”. Journal of Chemical and Engineering Data 8 (2): 241-242. doi:10.1021/je60017a033. 
  4. ^ a b c d Triacetin in Linstrom, P.J.; Mallard, W.G. (eds.) NIST Chemistry WebBook, NIST Standard Reference Database Number 69. National Institute of Standards and Technology, Gaithersburg MD. http://webbook.nist.gov (retrieved 2014-06-20)
  5. ^ Merck Index, 11th Edition, 9405.
  6. ^ Triacetin”. http://texas-chem.com. Chemical and Filtration Products of Texas. 2014年6月20日閲覧。
  7. ^ Triacetin”. http://drugtopics.modernmedicine.com. Advanstar Communications, Inc.. 2014年6月20日閲覧。
  8. ^ Melero, Juan A., et al. (2007). “Acidic mesoporous silica for the acetylation of glycerol: synthesis of bioadditives to petrol fuel”. Energy & Fuels 21 (3): 1782-1791. 
  9. ^ US 6145511 
  10. ^ Shapira, Jacob (1968年). “Current Research On Regenerative Systems”. http://casi.ntrs.nasa.gov. Committee On Space Research, Eleventh Annual Meeting. 2014年6月20日閲覧。
  11. ^ Glycerin and Glycerides”. http://www.fda.gov. 2014年6月20日閲覧。
  12. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)