トロント交響楽団
トロント交響楽団(トロントこうきょうがくだん、英語: Toronto Symphony Orchestra)は、カナダのトロントを本拠地とするオーケストラ。
トロント交響楽団 | |
---|---|
基本情報 | |
原語名 | Toronto Symphony Orchestra |
出身地 | カナダ・トロント |
ジャンル | クラシック音楽 |
活動期間 | 1922年~ |
公式サイト |
www |
メンバー |
音楽監督 グスターボ・ヒメノ |
概要
編集トロント交響楽団は1922年に設立された[1]。例年20万人の集客を誇り、しばしば生演奏がCBC放送を通じて放送されている。RCA[2]、ソニー・クラシカルやフィンランディア[3]などのレコード会社や、CBCの自主レーベルに録音を残してきた。
日本においては、小澤征爾が初めて音楽監督に就任したオーケストラとして有名である。1965年に就任した小澤は大幅なメンバーチェンジを行っており、コンサートマスターすらも変更した[4]。小澤は就任後、メシアンの『トゥーランガリラ交響曲』[1] や武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』[2] などの意欲作に取り組み、細身のしなやかなサウンドで20世紀音楽に鮮やかに対応していた[3]。また、英仏日への楽旅を敢行するとともに、メジャー・レーベルとの録音にも乗り出し、楽団の国際的な評価を高めた[5]。 その小澤征爾が4シーズンで辞任後、1969年に音楽監督に就任したカレル・アンチェルは、地味だが着実に楽団のレベルアップを果たした[5]。 また、1975年から1988年まで音楽監督を務めた アンドルー・デイヴィスは、レコーディングと国内外への楽旅を積極的に行い[5]高い音楽性を発揮した[1]。その後、聴衆の動員力低下など一時低迷期もあったが[5]、2004年にピーター・ウンジャンを音楽監督に迎え、同時代のアートとの連携も図り、積極的な演奏活動を繰り広げ[3]、一時の深刻な危機を打破することができた[5]。2020年からグスターボ・ヒメノが音楽監督を務める。
カナダ・トロント出身[3]の著名なピアニストであるグレン・グールドが唯一指揮をしたのが同団による『ジークフリート牧歌』であった[6]。
歴代音楽監督等
編集- ルイジ・フォン・クニッツ(Luigi von Kunits)(1922年 - 1931年)[5]
- アーネスト・マクミラン(1931年 - 1956年)[7]
- ワルター・ジュスキント(1956年 - 1965年)[5]
- 小澤征爾(1965年 - 1969年)[5]
- カレル・アンチェル(1969年 - 1973年)[5]
- アンドルー・デイヴィス(1975年 - 1988年)(1988年から桂冠指揮者[7])
- ギュンター・ヘルビヒ(1989年 - 1994年)[7]
- ユッカ=ペッカ・サラステ(1994年 - 2001年)[7]
- ピーター・ウンジャン(2004年 - 2018年)(2018年から名誉指揮者[7])
- グスターボ・ヒメノ(2020年 - )[7]
脚注
編集出典
編集- ^ a b c 世界のオーケストラ名鑑387 2009, p. 133「トロント交響楽団」.
- ^ a b “武満徹 ノヴェンバー・ステップス”. TOWER RECORDS. 2023年2月1日閲覧。
- ^ a b c d 世界の名門オーケストラ 2020, p. 162「トロント交響楽団」.
- ^ 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』 2011, p. 166.
- ^ a b c d e f g h i 世界のオーケストラ(1) ~北米・中米・南米編~ 2015, p. 272-277「46.トロント交響楽団」.
- ^ “グレン・グールド:弦楽四重奏曲/ワーグナー:ジークフリート牧歌 他”. TOWER RECORDS. 2023年2月4日閲覧。
- ^ a b c d e f “Orchestra”. Toronto Symphony Orchestra 公式HP. 2023年1月30日閲覧。
参考文献
編集- 小澤征爾、村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』新潮社、2011年。ISBN 978-4-10-353428-0。
- ONTOMO MOOK『世界のオーケストラ名鑑387』音楽之友社、2009年。
- 上地 隆裕著『世界のオーケストラ(1) ~北米・中米・南米編~』株式会社 芸術現代社、2015年。ISBN 978-4-87463-203-1。
- ONTOMO MOOK『世界の名門オーケストラ』音楽之友社、2020年。