トンネル・ビジョン (思考)

トンネル・ビジョン英語: tunnel vision)は、自分の好む考え方とは異なる他の可能性を考慮しようとしない姿勢を意味するメタファー(隠喩表現)であり、例えば、医師が患者の症状に対処したり、刑事被疑者を絞り込む場合のように、何らかの好ましい結果を事前に想定してことに当たる状況をいう[1]。この問題を解決する一般的な方法としては、最初の検討とは無関係で、最初の検討者がもっていた思い込み先入観を共有していない誰かに、検討内容について一から見直してもらう、セカンド・オピニオンがある。

日本語では、視野狭窄の罠[2]視野狭窄症直線思考などと翻訳されることがある[3]。また、狭量、偏狭を意味する表現とも説明される[4]

アメリカ合衆国経営コンサルタントであるジェイ・エイブラハムは、経営について、従来のやり方の延長上でしか発想できないトンネルビジョンに対して、従前とは異なる可能性を柔軟に考慮することができる姿勢をファネルビジョン(funnel は「漏斗」の意)と称して、これを奨励している[5][6]

脚注 編集

  1. ^ Merriam Webster dictionary”. 2016年4月27日閲覧。
  2. ^ 開米瑞浩「1.4 そんなに当たり前じゃないか、と思ってはみても...」『エンジニアのための図解思考 再入門講座 情報の“本質”を理解するための実践テクニック』翔泳社、2010年10月15日。ISBN 978-4798122755  Google books
  3. ^ 足立修一 (2015年2月1日). “トンネル・ビジョンの弊”. 慶應義塾大学理工学部物理情報工学科足立研究室. 2017年6月25日閲覧。
  4. ^ tunnel vision - Eゲイト英和辞典/weblio
  5. ^ トンネルビジョンとファネルビジョン”. ラーニングエッジ (2014年3月5日). 2017年6月25日閲覧。
  6. ^ エイブラハムの用語「トンネルビジョン」と「ファネルビジョン」については、日本語表記では中黒を用いないことが一般的である。

関連項目 編集