刑事
刑事(けいじ、英: Detective)とは、刑事巡査の略[1]。私服で犯罪の捜査や犯人の逮捕に従事する警察官を指す俗称である。
語義編集
日本では一般的に事件捜査に従事する警察署刑事課・生活安全課・警察本部刑事部・組織犯罪対策部・生活安全部に所属する、管理職ではない私服の警察官を指す。特に、警察内部では階級が巡査・巡査長でこれらに所属している者を刑事と呼び、巡査部長でこれらに所属している者は部長刑事と呼ばれ、警部補以上の者は係長・課長などと役職で呼ばれる。
ただ日本の各警察本部や各警察署の刑事部や刑事課に所属する警察官については、基本的には私服で活動するが、鑑識課や鑑識係など私服で活動しない警察官もいるため、私服警察官を刑事と捉えるのは間違いという指摘もある[2]。実際には各警察本部や各警察署の刑事部や刑事課のほか、組織犯罪対策課(部)、国際捜査課、生活安全課(部)などに配属されている警察官が「刑事」と捉えられている[2]。もちろん刑事警察部門のみならず、交通警察や公安警察にも私服の捜査員はいる。
なお、英語のDetectiveの訳語に「刑事」が当てられることがあるが、Detectiveには私立探偵 (Private detective) の意味もある[3]。また、アメリカでは“Detective”が警察官の正式な役職・階級の名称となっている場合があるが(例:ニューヨーク市警察#階級)、厳密には職種は刑事に限られているわけではない(ディテクティブを参照)。
俗称編集
「刑事」は、デカとも俗称される。これは明治時代、刑事が制服を着用せずに角袖の着物を着ていたことから、盗人の間で「かくそで」の倒語である「そでかく」(「くそでか」とも)から一部を抜き取った隠語で「でか」と呼んだのが一般に広まったものである。関西では「デカ」はあまり使われず、私服で勤務する警察官を指す俗称は「探偵さん」である。同様の例として、犯人や被疑者を指す俗称は「ホシ」ではなく「太夫さん」が主に使われる。