ドーリア人

古代ギリシアの民族

ドーリア人(ドーリアじん、ギリシャ語: Δωριείς, Dōrieîs, 英語: Dorians)、またはドーリス人ドリス人は、アイオリス人イオニア人と並ぶ古代ギリシアを構成した集団のひとつ。紀元前1100年頃ギリシャに侵入し、主にペロポネソス半島に定住した。ギリシア語のドリス方言を話し、代表的な都市はスパルタである。

Ancient Greek Northern regions (English).svg
青:ドーリア人

歴史編集

ギリシア神話によると、その名は、彼らの祖ヘレーンの息子ドーロスが移住した、ドリス英語版地方を故郷と考えていたことに由来する。

ミケーネ文明の衰退のころから後、紀元前1200年ころから紀元前800年ころまでは、文字による史料がなく、詳しい歴史が分からないため、ギリシャ史上の暗黒時代とも呼ばれている。この暗黒時代の後に、ポリスを中心とする古代民主制の時代が到来する。ミケーネ文明の領域を切り取るかたちで、ドーリア人は鉄の武器で先住民を征服しながらペロポネソス半島エーゲ海の島々に侵入し、スパルタをはじめとするポリスを形成した。数世紀後にはさらにアナトリア半島沿岸部やシチリア南イタリアなどの広範囲に植民した。

文化編集

古代ギリシア語にはドーリス方言英語版があり、建築様式にはドーリア式がある。ドーリア式はそのシンプルで力強い様式が特徴。

関連項目編集