ハスノハギリ

ハスノハギリ科ハスノハギリ属の常緑高木

ハスノハギリ(蓮葉桐[1]、学名:Hernandia nymphaeifolia)はハスノハギリ科ハスノハギリ属の常緑高木。

ハスノハギリ
ハスノハギリの果実
分類(APG III)
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : モクレン類 magnoliids
: クスノキ目 Laurales
: ハスノハギリ科Hernandiaceae
: ハスノハギリ属 Hernandia
: ハスノハギリ H. nymphaeifolia
学名
Hernandia nymphaeifolia (Presl.) Kubitzki
和名
ハスノハギリ

特徴

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葉は大きな卵円形で全縁、光沢があり、葉柄がハスの葉のように盾状につき特徴的[1][2][3]。葉の大きさの割に葉脈は少ない。葉先は突き出ずに尖る。花後に総苞が合着し、黄白色-淡赤色に肉質球形化し、核果を包んで風鈴のような袋状になる[1]。総苞は直径3–4 cmで、核果は直径1–2 cm。頂部に開口部のあるこの袋が、舟のように果実を包んで海面を漂流する[4]。海水に3ヶ月以上浮き続け、海流で散布される[2]

Fujita (1991) は、マリアナ諸島マリアナオオコウモリPteropus mariannus)によって散布された種子であるとしている[5]

分布と生育環境

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沖永良部島以南の南西諸島と小笠原諸島。国外では台湾~熱帯アジア、アフリカ東部、マダガスカル太平洋諸島[2]

海岸林の内陸側に生え、しばしば群落を作る[1][2]

利用

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防風林、公園樹、観葉植物。防潮用に植栽されることも多い[1]。材は器具材や箸に用いられ、種子から得られる油は有毒だが、薬用・工芸用に有用[6]

脚注

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  1. ^ a b c d e (大川 & 林 2016, p. 40)
  2. ^ a b c d (中西 2020, p. 209)
  3. ^ (片野田 2019, p. 6)
  4. ^ (小野 1997, p. 9-61)
  5. ^ Bats and the Lantern Tree”. 2014年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月31日閲覧。
  6. ^ (天野 1989, p. 86)

参考文献

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  • 大川智史; 林将之『琉球の樹木』文一総合出版、2016年、40頁。ISBN 9784829984024 
  • 中西弘樹『フィールド版日本の海岸植物図鑑』トンボ出版、2020年、209頁。ISBN 9784887162266 
  • 片野田逸朗『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年、6頁。ISBN 9784861244056 
  • 天野鉄夫『図鑑 琉球列島有用樹木誌』沖縄出版、沖縄県浦添市、1989年。 
  • 小野幹雄 著、週刊百科編集部 編『朝日百科 植物の世界』1997年、9-61頁。ISBN 4023800104 

関連文献

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  • Fujita, M.S. (1991). Flying Fox (Chiroptera:Pteropodidae) Pollination, Seed Dispersal, and Economic Importance: A Tabular Summary of Current Knowledge. Resource Publication No. 2, Bat Conservation International