ハプスブルク万歳!』(ハプスブルクばんざい、ドイツ語: Habsburg Hoch!作品408は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲した行進曲

『ハプスブルク万歳!』
ドイツ語: Habsburg Hoch!
C.A.シュピーナ社出版の楽譜表紙[注釈 1]
ジャンル 行進曲
作曲者 ヨハン・シュトラウス2世
作品番号 op.408
初演 1882年12月17日

楽曲解説 編集

1282年12月、初めてハプスブルク家から選出された神聖ローマ皇帝ルドルフ1世は、プシェミスル家からオーストリアシュタイアーマルクケルンテンを没収した。それから600年後の1882年、オーストリアがハプスブルク家によって統一されてから600年となることを記念して、帝都ウィーンで大祝典が催されることとなった[1]

ワルツ王ヨハン・シュトラウス2世とその弟エドゥアルト・シュトラウス1世は、ともに「宮廷舞踏会音楽監督」の称号を持っていた[注釈 2]。そのため、ふたりはこの祝典のために新曲を作って、それぞれ音楽会を開いて披露せねばならなかった[1]

ヨハン2世は、『ハプスブルク万歳!』という題名のもとに、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの『皇帝讃歌』や父親ヨハン・シュトラウス1世の『オイゲン皇子行進曲』『ラデツキー行進曲』などを組み入れてこの行進曲を作り上げた。1882年12月17日、ヨハン2世自身の手でカール劇場ドイツ語版にて指揮演奏された[1]

なお、当楽曲はその後のシュトラウス楽団のレパートリーには入っていない[2]

関連作品 編集

  • 『オーストリア人民の忠誠』 - エドゥアルト1世が作曲した行進曲。作品番号は211。12月17日、ムジークフェライン・ザールにおいて開かれた特別演奏会で、エドゥアルト1世が自ら100人の軍楽隊を指揮して発表したという[1]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 神聖ローマ皇帝ルドルフ1世、ハプスブルク家の紋章であるライオン、当時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の顔などが描かれている
  2. ^ ヨハン2世はすでに1871年1月に役職を弟エドゥアルトに譲っていたが、称号はそのままだった。

出典 編集

  1. ^ a b c d 渡辺(1997) p.155
  2. ^ 渡辺(1997) p.156

参考文献 編集

  • 渡辺護『ハプスブルク家と音楽―王宮に響く楽の音』音楽之友社、1997年(平成9年)。ISBN 4-276-37076-0 
  • 井上和男『クラシック音楽作品名辞典<第3版>』三省堂、2009年(平成21年)。ISBN 978-4-385-13549-6 

外部リンク 編集