バビロン・ズー

イギリスのロックバンド

バビロン・ズーBabylon Zoo)は、1992年にウルヴァーハンプトンで結成された英国のロック・バンドである。彼らの代表曲「スペースマン」は、1995年後半にイギリスでリーバイス・ジーンズのテレビCMに使用され、かなりの露出を得ることとなった。1996年1月21日にバンドのデビュー・シングルとしてリリースされ、ナンバーワンで全英シングルチャートに入った[2]。「スペースマン」はバンドを一発屋へと導いた。その後のリリースで彼らはほとんど成功しなかった[3]

バビロン・ズー
Babylon Zoo
出身地 イングランドの旗 イングランド ウルヴァーハンプトン
ジャンル オルタナティヴ・ロック
スペース・ロック
インダストリアル・ロック
グラムロック
活動期間 1992年 - 2000年
レーベル Phonogram、WEA、EMI
旧メンバー ジャス・マン
キャリー・メルボルン
デイヴ・グッズ
ダーリン・ムーニー
マーク・ブルーマー[1]

略歴 編集

フロントマンのジャス・マンは、かつて「The Sandkings」と呼ばれるインディーズ・バンドに所属していた。1993年、3曲入りのデモにより、彼の次のプロジェクトであるバビロン・ズーとしてフォノグラム・レコードと契約を結んだ[3]

バンドの最初のシングルは、リーバイス・ジーンズのテレビCMに登場した「スペースマン」であった。リーバイスはマンチェスターのラジオ局で「スペースマン」を聞いた後、英国のテレビCMに使用することにした。これは、ビートルズの「キャント・バイ・ミー・ラヴ」以来、英国で最も素早く売れたシングルとなった[4]。シングルは、リリースの最初の週に420,000枚を販売し[5][6]、ナンバーワンとして5週間を費やした[7]

ライターのティム・ムーアは、バビロン・ズーにはそれから「失敗と恥ずかしさのみ」が続いたと書いている[8]。『X-レイの瞳を持つ少年』というタイトルのアルバムは、マンのニュー・アトランティス・プロダクションの音楽およびビデオ・センターでプロデュースされた。2月17日に全英アルバムチャートの6位でピークに達したものの[2]、チャートにはさらに2週間しか続かず、トップ40からも急落した[9]。その後のシングルも徐々に低くチャートに載るようになり、「スペースマン」の成功とは一致しなかった[7]。バンドの評判は、一連の痛烈なライブ・レビューによってさらに損なわれていった[10]

1999年には、『キング・コング・グルーヴァー』というアルバムが続いてリリースされた。アルバムは否定的な評価を受け、英国ではチャートで失敗し、10,000ユニットの販売にとどまった[10]。アルバムからのシングルは「All The Money's Gone」で、イギリスとヨーロッパでリリースされ、全英シングルチャートで46位に達した。モット・ザ・フープルの「ホナルーチ・ブギ」のカバーであるセカンド・シングルは、フランスでのみプロモーション・シングルとしてリリースされた[11]。グループはまもなく解散し、マンはインドに移り、そこで援助機関に身を置き働いた[12]

批評家のスティーブン・ウェルズは、「スペースマン」のシングルがリーバイスの広告版に似ていたのは「約10秒」だけだったため、多くの消費者を怒らせた、と書いた。ウェルズは、NMEや1997年のコメディ・TVシリーズ『Brass Eye』のエピソードなどメディアにおけるマンの嘲笑に注目し、自己拡大的なインタビューを通じてマンがさらに怒りを呼んでいたことを報告している[13]

2005年、ジャス・マンは、『Cold Clockwork Doll』と呼ばれる新しいバビロン・ズーのアルバムをリリースすることを発表したが、公式のリリース日は発表されておらず、その後のアップデートもない[12][14]

ディスコグラフィ 編集

アルバム 編集

  • 『X-レイの瞳を持つ少年』 - The Boy with the X-Ray Eyes (1996年)
  • 『キング・コング・グルーヴァー』 - King Kong Groover (1999年)
  • I Am Om (2020年)

シングル 編集

  • "Spaceman" (1995年)
  • "Animal Army" (1996年)
  • "The Boy with the X-Ray Eyes" (1996年)
  • "All the Money's Gone" (1999年)
  • "Honaloochie Boogie" (1999年)
  • "Love Lies Bleeding" (2000年)

脚注 編集

  1. ^ Whetstone, David. “Broom Bezzums: Germany's most famous English folk band gear up for UK tour - The Journal”. Thejournal.co.uk. 2019年10月18日閲覧。
  2. ^ a b Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 38. ISBN 1-904994-10-5 
  3. ^ a b Sutton, Michael. “Babylon Zoo Biography”. Allmusic. 2013年6月7日閲覧。
  4. ^ Krewen, Nick (1996年5月23日). “The keeper of Babylon Zoo”. Toronto Star. https://pqasb.pqarchiver.com/thestar/access/508725391.html?FMT=ABS&FMTS=ABS:FT&type=current&date=May+23%2C+1996&author=Nick+Krewen&pub=The+Spectator&desc=The+keeper+of+Babylon+Zoo&pqatl=google 2013年6月30日閲覧。 
  5. ^ For The Record”. The Mirror : Archived at The Free Library (2002年3月20日). 2013年7月1日閲覧。
  6. ^ Entertainment - Will Blur spear Britney?”. BBC (1999年2月22日). 2013年7月1日閲覧。
  7. ^ a b Official Charts: Babylon Zoo - Singles”. Official Charts Company. 2013年6月11日閲覧。
  8. ^ Moore, Tim (2012). You are Awful (but I Like You): Travels Through Unloved Britain. Vintage. pp. 157–158. ISBN 0-224-09011-9 
  9. ^ 1996 Top 40 Official UK Albums Archive 9th March 1996”. Official Charts Company. 2013年6月11日閲覧。
  10. ^ a b Spaceman band falls back to earth”. Sunday Mercury. The Free Library (1999年5月9日). 2013年5月29日閲覧。
  11. ^ Babylon Zoo - Honaloochie Boogie”. Discogs.com. 2019年10月18日閲覧。
  12. ^ a b Where Are They Now?”. Web.archive.org. 2012年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月21日閲覧。
  13. ^ Wells, Steven (1999年1月23日). “This week's singles”. NME. 2017年6月25日閲覧。
  14. ^ Edden, John (2011年4月21日). “Whatever happened to... Babylon Zoo”. altsound.com. 2014年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月29日閲覧。

外部リンク 編集