バーチの定理
数学において、バーチの定理(英: Birch's theorem)[1]とは、奇数次形式における 0 の表現可能性に関する定理である。定理の名前はブライアン・バーチにちなむ。
定理の主張
編集K を代数体、k, l, n を自然数、r1, . . . ,rk を奇数の自然数とし、f1, . . . ,fk を n 変数で次数がそれぞれ r1, . . . ,rk の K 係数斉次多項式とする。ここで、
を満たすならば、Kn の l 次元部分ベクトル空間 V が存在して
を満たすような、ある数 ψ(r1, . . . ,rk,l,K) が存在する。
注意
編集定理の証明は形式 f1, . . . ,fk の最大次数についての帰納法による。証明に本質的なのは定理の次の特別な場合であり、これはハーディ・リトルウッドの円周法 を適用して証明できる: n が十分大きく r が奇数であれば、方程式
は「すべてが 0」ではない整数解 x1, . . . ,xn を持つ。
r が奇数という制限は必要である。なぜならば正定値二次形式のように偶数次形式では、原点でしか 0 の値を取らないことがあるからである。
参考文献
編集- ^ B. J. Birch, Homogeneous forms of odd degree in a large number of variables, Mathematika, 4, pages 102–105 (1957)