バーン・ウィチャエーン

バーン・ウィチャエーン(Ban Wichayen 〈Bahn Vichayen〉、タイ語: บ้าน วิชาเยนทร์)は、タイ中部ロッブリーにある遺跡。ウィチャエーンの家: Wichayen House)とも称される。

バーン・ウィチャエーン
บ้านวิชาเยนทร์
Ban Wichayen
バーン・ウィチャエーンの位置(タイ王国内)
バーン・ウィチャエーン
タイ王国における位置
所在地 タイ王国の旗 タイロッブリー県
ムアンロッブリー郡
地域 タイ中部
座標 北緯14度48分11秒 東経100度36分36秒 / 北緯14.803度 東経100.610度 / 14.803; 100.610
歴史
建設者 ナーラーイ
資材 煉瓦
完成 17世紀末
建築物
建築様式 ヨーロッパ様式
建築物詳細 礼拝堂タイ様式混交
敷地内の1階建の遺構

ギリシャ生まれで1675年にタイに渡来した後、王ナーラーイ(在位1656-1688年)のもとで大臣を務めたコンスタンティン・フォールコン(チャオプラヤー・ウィチャエーン〈Chao Phraya Wichayen、タイ語: เจ้าพระยาวิชเยนทร〉)の邸宅の跡でありチャオプラヤー・ウィチャエーンの家と呼ばれるが、もともとはフランス大使のために建てられた建造物であった[1]

位置 編集

バーン・ウィチャエーンは、ロッブリー市内の中心部にあるナーラーイ王の宮殿プラ・ナーラーイ・ラチャニウェートの北約300m[2]、寺院遺跡プラーン・サームヨートの西約400mに位置する。

歴史 編集

当初、建物は王ナーラーイにより、1658年にロッブリーの王のもとを訪れたフランス大使アレクサンドル・ド・ショーモンフランス語版(シュバリエ・ド・ショーモン)の住居として建造された[1]

その目的によりこの複合建造施設は当初、使節を迎える王室の迎賓館として“Ban Luang Rab Rat Thut”(タイ語: บ้านหลวงรับราชทูต)と呼ばれた。その後、王に仕えたコンスタンティン・フォールコンの官職名であるチャオプラヤー・ウィチャエーンにちなんで付けられたバーン・ウィチャエーンの名称で知られるようになった。

構成 編集

構造物の中心部には、ヨーロッパとタイ様式を融合して建てられ、鐘楼を備えたカトリックチャペル(礼拝堂)がある[3]。その西側には大使の邸宅があった。東側には中庭が広がり、そこには別にフランス外交官の居留する建物群が構築された。敷地の後方には厨房および小型の宿所などを備えていた[4]

構造物はヨーロッパの様式で設計されており、フォールコン(ウィチャエーン)の住居は2階建である。窓や扉の上部には精細に彫刻された化粧しっくい(スタッコ)の装飾が施され、その一部が保存されている。入口に向かって半円形の階段がある[3]

脚注 編集

  1. ^ a b 中村浩『ぶらりあるきチェンマイ・アユタヤの博物館』芙蓉書房出版、2016年、138頁。ISBN 978-4-8295-0701-8 
  2. ^ WICHAYEN HOUSE”. Tourism Authority of Thailand. 2017年9月17日閲覧。
  3. ^ a b Baan Wichayen”. Renown Travel. 2017年9月17日閲覧。
  4. ^ Ban Wichayen House, Lopburi, Thailand”. Asian Historical Architecture. orientalarchitecture.com. 2017年9月17日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯14度48分10秒 東経100度36分37秒 / 北緯14.80278度 東経100.61028度 / 14.80278; 100.61028