パッシブデザイン (passive design) とは、建物をとりまく自然や環境がもっているエネルギー(日射・気温・風・雨水・地熱など)を上手に利用できるように建物を設計することで、エネルギー消費を抑え、快適な生活環境や室内気候をつくろうとする設計の考え方・設計手法[1][2]

概要 編集

パッシブデザインとアクティブデザイン 編集

パッシブデザインは、暖冷房設備や装置等に依存せず、適切な断熱や日射調整(取得と遮蔽)、通風、蓄熱等、建物そのものの工夫によって、室内環境の快適性の向上を図る。

夏期と冬期では取り組みが異なり、それぞれの季節に応じた建物の熱的性能が求められる。

 
パッシブデザインを採用した住宅のイメージ(左:夏期 右:冬期)

パッシブデザインの対義語としてアクティブデザイン (active design) がある。

これは、冷暖房設備や給湯器、照明器具などを効率的に組み合わせることにより、快適な居住空間を確保することを目指している。

パッシブデザインと環境共生住宅 編集

環境共生住宅とは、「地球環境を保全する観点から、エネルギー・資源・廃棄物などの面で充分な配慮がなされ、また周辺の自然環境と親密に美しく調和し、住み手が主体的にかかわりながら、健康で快適に生活できるよう、パッシブデザイン手法を積極的に取り入れた工夫がされた、環境と共生するライフスタイルを実践できる住宅、およびその地域環境」を言う[3][4]

 
パッシブデザインと環境共生住宅の関係

脚注 編集

  1. ^ 『自然エネルギー利用のためのパッシブ建築設計手法事典』彰国社編 「pp2-4」
  2. ^ 『建築資料集成[環境]パッシブデザイン』「p76」
  3. ^ 環境共生住宅とは”. 一般社団法人環境共生住宅推進協議会. p. 1. 2020年4月19日閲覧。
  4. ^ 環境共生住宅について”. 国土交通省. 2020年4月19日閲覧。

外部リンク 編集