ピアノソナタ第38番 (ハイドン)

ピアノソナタ第38番 変ホ長調 作品30-4 Hob. XVI:38 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲したピアノソナタランドン版では第51番となっている。

概要 編集

作曲された時期に関しては不明な点が多いが、1780年に第35(48)番から第39(52)番までと第20(33)番の6曲が「ソナタ集 第1巻」作品30として出版されているため、それ以前の作であることがわかっている。

曲の構成 編集

全3楽章、演奏時間は約12分。

  • 第1楽章 アレグロ・モデラート
    変ホ長調、4分の4拍子、ソナタ形式
    ソナタ形式だが、提示される主題はひとつだけで、その主題を意味ありげに提示し、明快に展開しているに過ぎない[1]
  • 第2楽章 アダージョ
    ハ短調、8分の6拍子、変奏曲形式
    中間楽章の旋律はシチリアーナであり、ト長調の主和音で閉じられるが、この2つの楽章はアタッカでつなげられている。つまり、この和音は変ホ長調のⅢの和音の第3音を半音上げたものとして次の楽章の導入の役割を果たす[2]
  • 第3楽章 フィナーレ:アレグロ
    変ホ長調、4分の3拍子、三部形式
    明確に明記されていないが、トリオを挟んだメヌエット楽章と同じような形式をとる[3][4]

参考文献 編集

  1. ^ Petty, Wayne (1994). “Cyclic Integration in Haydn's E♭ Piano Sonata Hob. XVI:38”. Theory and Practice 19: 37. 
  2. ^ Petty, Wayne (1994). “Cyclic Integration in Haydn's E♭ Piano Sonata Hob. XVI:38”. Theory and Practice 19: 41. 
  3. ^ Sisman, Elaine (2003). Haydn's Solo Keyboard Music, in "Eighteenth-Century Keyboard Music" (ed. Robert L. Marshall). Routledge. p. 287 
  4. ^ Hinson, Maurice (2005). The Complete Piano Sonatas, Volume 2. Alfred Music. p. 18. ISBN 1457421410 

外部リンク 編集