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ファカルティ・ディベロップメント

ファカルティ・ディベロップメント (Faculty Development、FD)とは、「大学教員の教育能力を高めるための実践的方法」のことであり、大学の授業改革のための組織的な取り組み方法を指す。ファカルティ=Facultyとは、大学の学部などの教員組織や教員集団を指す。ディベロップメント=developmentとは、能力開発の意である。類似の語に、スタッフ・ディベロップメント (Staff Development、SD) やプロフェッショナル・ディベロップメント (Professional Development、PD)があり、大学教職員および大学組織の職能開発の取り組みとして、広義のファカルティ・ディベロップメントも提唱されている[1]。さらに広範囲の領域を指す教育開発(Educational Development)が、大学開発(Academic Development)とその質を向上させる支援活動を包含する。

日本語における表記には、「development」の音写に揺れがあり、文部科学省ファカルティ・ディベロップメントとすることがよくあるが[2]、他にも、ファカルティ・デベロップメント[3]、また、中黒を除いたファカルティディベロップメント[4]ファカルティデベロップメント[5]などの表記も見られる。

歴史編集

大学の管理サイドからは教育評価のひとつとしての「授業評価システム」を導入し、大学教員の「気づき」を促すというアプローチがある。これは、「評価」を嫌う大学教員の組織的な抵抗があったという歴史があり、多くの大学ではなんらかの抵抗にあったが、アメリカの大学における標準となっていたことから、日本でも2000年以降に定着した。「授業評価システム」は、5点を満点とする減点法であることから、創造的な授業開発が十分に評価されず、学生の期待を上回った授業を提供することに十分な「評価」が行われていないとする教員側の批判がある[6][7]

制度編集

文部科学省は学校教育法の一部を改正する法律(平成17年法律第83号)によって根拠法とし、最初に学校教育法施行規則等の一部を改正する省令(平成18年文部科学省令第11号)によって「大学院設置基準」(昭和49年文部省令第28号)の一部改正を行い、平成19年度に大学院から導入を義務付けた[8]。ついで大学設置基準等の一部を改正する省令(平成19年文部科学省令第22号)によって「大学設置基準」(昭和31年文部省令第28号)の一部改正などにより、大学・短期大学・高等専門学校についても平成20年度に導入した[9]

方法編集

下記の参考文献(洞口治夫『ファカルティ・ディベロプメント』。)では「添削」を重視しており、日本の教育のなかで軽視されてきた基本的な教育方法であることに注意を喚起している。

脚注編集

  1. ^ FDの定義・内容について(文部科学省 中央教育審議会大学分科会第21回資料)
  2. ^ 大学教員及びファカルティ・ディベロップメント等に関する参考資料”. 文部科学省. 2019年9月25日閲覧。
  3. ^ ファカルティ・デベロップメントとIT活用 : 大学教育への提言 2006年版 私立大学情報教育協会”. 国立国会図書館. 2019年9月25日閲覧。
  4. ^ 大学教員のファカルティディベロップメントについて”. 文部科学省. 2019年9月25日閲覧。
  5. ^ 平成17年度大学教育の国際化推進プログラム(海外先進教育実践支援)選定取組みの概要及び選定理由”. 文部科学省. 2019年9月25日閲覧。
  6. ^ 安岡高志、及川義道、渡辺律子、吉川政夫、高野二郎、光澤舜明、香取草之助、「(フォーラム)学生による授業評価項目および授業評価結果の利用法に関するアンケート調査」、一般教育学会誌、15(22)、pp.148-158 (1993)
  7. ^ J.ローマン・阿部美哉監訳、大学のティーチング、玉川大学出版部 (1987)  アメリカの状況
  8. ^ 平成18年5月17日付け18文科高第133号文部科学事務次官通知「大学等の教員組織の整備に係る学校教育法の一部を改正する法律等の施行について
  9. ^ 平成19年7月31日付け19文科高第281号文部科学省高等教育局長通知「大学設置基準等の一部を改正する省令等の施行について

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集

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