フレンチ男爵: Baron ffrench)は、イギリスの男爵貴族アイルランド貴族爵位。爵位と姓の頭文字は、小文字で「ffrench」と綴る。

フレンチ男爵
Baron ffrench

紋章記述

Arms:Ermine a Chevron Sable.Crest:A Dolphin embowed proper.Supporters:Dexter: A Falcon Gules armed membered belled and wings inverted Or; Sinister: An Unicorn Gules armed unguled crined and tufted Or and in its mouth a Rose Branch thereon two Red Roses proper
創設者ジョージ3世
貴族アイルランド貴族
初代初代女男爵ローズ・フレンチ
現所有者8代男爵ロバック・フレンチ
相続資格初代女男爵と初代準男爵の男系男子(The 1st Baroness, heirs male of her body by her late husband, Sir Charles ffrench, 1st Bt.)
付随称号(フレンチ城の)準男爵
現況存続
モットー不名誉よりは死を
(Malo Mori Quam Foedari)

歴史

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フレンチ家はウィリアム征服王期のサー・セオフィルス・フレンチ(?-?)の係累で、アイルランド島ウェックスフォード地方を経てゴールウェイに定住したとされる[1]

その子孫チャールズ・フレンチ(?-1784)はその最晩年にあたる1779年にアイルランド準男爵位の(ゴールウェイ県におけるフレンチ城の)準男爵(Baronet, of Castle ffrench in County Galway)に叙せられた。チャールズが亡くなると、その息子トマスが準男爵位を継いだ[2][3][4]

また、チャールズの妻ローズ(?-1805)は、夫の死後の1798年にアイルランド貴族としてゴールウェイ県におけるフレンチ城のフレンチ女男爵(Baron ffrench, of Castle ffrench in the County of Galway)に叙せられた[註釈 1]。彼女の死後、夫妻の息子トマスが準男爵位とともに爵位相続した[2][3]

2代男爵トマスの孫である4代男爵トマス(1810-1892)には男子がなかったため、爵位は弟のマーティンが継承した[2]

5代男爵マーティン(1813-1893)勅選弁護士を務めたほか、ティペラリー県治安主席判事を務めた[2][5]

その息子の6代男爵チャールズ(1868-1955)には子がなかったため、甥のピーターがその後を襲った[2]。その孫である9代男爵ロバック(1956-)がフレンチ男爵家現当主である。

一覧

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(フレンチ城の)準男爵(1779年)

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  • 初代準男爵サー・チャールズ・フレンチ (?-1784)
  • 第2代準男爵・(第2代フレンチ男爵)サー・トマス・フレンチ (c. 1765-1814)(1805年にフレンチ男爵を継承

フレンチ男爵(1798年)

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  • 初代フレンチ女男爵ローズ・フレンチ (?-1805)
  • 第2代フレンチ男爵トマス・フレンチ (c. 1765-1814)
  • 第3代フレンチ男爵チャールズ・オースティン・フレンチ (1786–1860)
  • 第4代フレンチ男爵トマス・フレンチ (1810–1892)
  • 第5代フレンチ男爵マーティン・ジョセフ・フレンチ(1813–1893)
  • 第6代フレンチ男爵チャールズ・オースティン・トマス・ロバート・ジョン・ジョセフ・フレンチ(1868-1955)
  • 第7代フレンチ男爵ピーター・マーティン・ジョセフ・チャールズ・ジョン・フレンチ (1926–1986)
  • 第8代フレンチ男爵ロバック・ジョン・ピーター・チャールズ・マリオ・フレンチ (1956-)

法定推定相続人は現当主の叔父であるジョン・チャールズ・メアリー・ジョセフ・フランシス・フレンチ閣下。[2]

脚注

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註釈

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  1. ^ ジョージ3世はトマスがカトリック信者だったため、彼への叙爵を拒否した。[4]

出典

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  1. ^ The Genealogy of the Existing British Peerage”. Duke University Libraries,(1838),p=206. 2019年12月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f ffrench, Baron (I, 1798)”. www.cracroftspeerage.co.uk. 2019年12月17日閲覧。
  3. ^ a b Debrett's peerage, and titles of courtesy”. London, Dean,(1921),p=370. 2019年12月18日閲覧。
  4. ^ a b Cokayne, George Edward; Gibbs, Vicary; Doubleday, Herbert Arthur, eds. (1926). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Eardley of Spalding to Goojerat) (英語). Vol. 5 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press, Ltd. p. 369.
  5. ^ No.6497”. The Edinburgh Gazette 1 June 1855. 2019年12月18日閲覧。

関連項目

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