ブレンツキシマブ ベドチン

ブレンツキシマブ ベドチン(Brentuximab vedotin)は抗CD30モノクローナル抗体微小管阻害薬のモノメチルアウリスタチンE(monomethyl auristatin E; MMAE)が結合した分子標的治療薬であり、アドセトリス(Adcetris)の商標名で販売されている。開発はシアトルジェネティクス社とミレニアム社[注釈 1]の共同開発であり、日本での製造販売は武田薬品工業が行っている。

ブレンツキシマブ ベドチン?
モノクローナル抗体
種類 全長抗体
原料 キメラ (マウス/ヒト)
抗原 CD30
臨床データ
販売名 アドセトリス (Adcetris)
胎児危険度分類
  • US: D
法的規制
投与経路 点滴静注
識別
CAS番号
914088-09-8 ×
ATCコード L01XC12 (WHO)
UNII 7XL5ISS668 ×
別名 SGN-35, previously cAC10-vcMMAE
化学的データ
化学式C6476H9930N1690O2030S40 (C68H105N11O15)3–5
分子量149.2–151.8 kDa
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日本では2014年1月に、「再発または難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫未分化大細胞型リンパ腫」を適応として製造承認された[1]

効能・効果 編集

再発または難治性のCD30陽性の下記疾患

  • ホジキンリンパ腫
  • 未分化大細胞リンパ腫

薬理 編集

抗CD30抗体製剤はHodgkinリンパ腫には抗腫瘍効果を示さなかった。抗CD30抗体にリンカーを介してチューブリン重合阻害薬であるモノメチルアウリスタチンE(MMAE)を結合させたものが本薬剤である。腫瘍細胞表面のCD30に結合した後、インターナリゼーション(リガンド媒介性のエンドサイトーシス)により、腫瘍細胞内へ取り込まれる。細胞内でリソゾームへ輸送され、加水分解酵素によりリンカーが切断され、MMAEが細胞内に放出される。MMAEはチューブリンに結合し、微小管形成が阻害され、抗腫瘍効果を発揮すると考えられている[2]

副作用 編集

以下のものが重度の副作用として挙げられている[3]

注釈 編集

  1. ^ 武田アメリカ・ホールディングス株式会社の100%子会社

出典 編集

  1. ^ 北村正樹 (2014年2月21日). “アドセトリス:CD30陽性腫瘍細胞を標的とした抗体薬物複合体製剤”. 日経メディカル. 日経BP社. 2014年3月28日閲覧。
  2. ^ 石澤賢一 悪性リンパ腫-診断と治療の進歩-. 日内会誌 2017;106(3):540-5.
  3. ^ アドセトリス点滴静注用50mg「タケダ」 薬剤添付文書” (PDF). 武田薬品工業株式会社 (2014年). 2014年3月28日閲覧。