酵素とは、生体でおこる化学反応に対して触媒として機能する分子である。酵素によって触媒される反応を酵素的反応という。
酵素は生物が物質を消化する段階から吸収・輸送・代謝・排泄に至るまでのあらゆる過程に関与しており、生体が物質を変化させて利用するのに欠かせない。したがって、酵素は生化学研究における一大分野であり、早い段階から研究対象になっている。
多くの酵素は生体内で作り出されるタンパク質をもとにして構成されている。したがって、生体内での生成や分布の特性、熱やpHによって変性して活性を失う(失活)といった特性などは、他のタンパク質と同様である。
鈴木章(1930年–)は、日本の化学者、北海道大学名誉教授。北海道胆振支庁管内鵡川町(現むかわ町)出身。北海道江別市在住。1979年、芳香族化合物の合成法としてしばしば用いられる反応の一つである「鈴木・宮浦カップリング」を発表、金属のパラジウムを触媒として、炭素同士を効率よくつなげる画期的な合成法を編み出したことで2010年にノーベル化学賞を受賞した。
1963年から3年間、パデュー大学のハーバート・ブラウンのもとで有機ホウ素化合物の研究を行う。このときの経験が、当時助手だった宮浦憲夫とのカップリング反応の研究に活かされ、1979年発表の鈴木・宮浦カップリングの発見につながった。