過硫酸
別名 ペルオキソ一硫酸
組成式 H2SO5
式量 114.04 g/mol
形状 白色固体
CAS登録番号 [7722-86-3]
密度 2.29 g/cm3,
融点 45 °C

過硫酸(かりゅうさん)は硫黄オキソ酸のひとつ。ペルオキソ一硫酸カロ酸 (Caro's acid) とも呼ばれる。化学式は H2SO5。強い酸化剤である。CAS登録番号は [7722-86-3]。ドイツの化学者、ハインリッヒ・カロ(de:Heinrich Caro)により最初に報告された。

調製方法 編集

硫酸またはクロロ硫酸に濃過酸化水素を作用させる。ペルオキシ二硫酸を加水分解したり、硫酸と水を電気化学的に酸化して得る[1]

実験室的には、硫酸に過硫酸アンモニウムを加えて調製される[2]

用途 編集

過硫酸は洗浄剤として用いられる。半導体回路製造過程で、レジスト除去剤としての用途が検討されている[3]

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過硫酸の塩は、酸素系の漂白剤、洗浄剤として用いられる。

過硫酸水素カリウムと硫酸水素カリウム、硫酸カリウムから成る複塩 (2KHSO5•KHSO4•K2SO4) は「OXONE(オキソン)」という商標名で市販され、有機合成などで酸化剤として用いられる。

関連項目 編集

参考文献 編集

  1. ^ コットン、ウイルキンソン、『無機化学』、原書4版、培風館
  2. ^ 例: Wang, Y.; Zhu, S. Tetrahedron Lett. 2001, 42, 5741-5744. DOI: 10.1016/S0040-4039(01)01106-6
  3. ^ 東芝など,硫酸の使用量を70%削減するレジスト除去技術を開発 - 日経BPnet