ホスホコリン(phosphocholine)は、組織内におけるホスファチジルコリン合成の中間体である。ホスホコリンはコリンキナーゼ英語版によって触媒されるATP + コリンをホスホコリンとADPに変換する反応によって作られる。ホスホコリンは例えばレシチン中に見出される分子である。

ホスホコリン
Skeletal formula
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識別情報
CAS登録番号 107-73-3
PubChem 1014
J-GLOBAL ID 200907059349261175
KEGG C00588
MeSH Phosphocholine
特性
化学式 C5H15NO4P+
モル質量 184.151 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ホスホコリンは線虫やヒト胎盤によってホストの免疫応答を抑制するための翻訳後修飾としても用いられる[1][2]

また、C反応性蛋白 (CRP) の結合標的の一つである[3]。したがって細胞が損傷を受けた時、CRPはホスホコリンに結合し、認識および食作用免疫応答を開始する。

ホスファチジルコリン (PC) は鶏卵(およびその他の多くの卵)の天然成分の一つであり、Egg-PCの形でしばしば生体模倣膜の研究に使用されている[4]。様々な原料由来の精製されたPCが購入可能である。PCは通常、天然品(例: EggPC)と合成品に分けられる。

摂取 

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食品中のホスホコリン含有量

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ホスホコリン含有量(USDAデータベース)より抜粋[5]
食品名 ホスホコリン
含有量(mg/100g)
卵(全卵、生) 0.6
牛乳(全乳、3.25%) 1.9
パプリカ(スパイス) 3.8
パセリ(スパイス) 6.6
鶏肉(生、皮付き) 3.6
鶏レバー(生) 4.1
シリアル
(KELLOGG ALL BRAN ORIG)
1.7
アボカド
(カリフォルニア)
2.5
バナナ 0.5
ベーコン(豚、生) 1.4
豚ひき肉(生) 0.8
アスパラガス(生) 2.4
キャベツ(生) 1.3
レタス(iceberg、生) 1.5
トマト 1.8
アーモンド 1.9
牛ひき肉(10%脂肪、生) 0.3
牛レバー(生) 12.0
紅鮭(缶) 0.8
ピーナッツ(生) 1.8
大豆(完熟、生) 1.1
アイスクリーム(バニラ) 1.8
紅鮭(生) 1.5


脚注

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  1. ^ Lovell TM, Woods RJ, Butlin DJ, et al. (September 2007). “Identification of a novel mammalian post-translational modification, phosphocholine, on placental secretory polypeptides”. J. Mol. Endocrinol. 39 (3): 189–98. doi:10.1677/JME-07-0007. PMC 2189575. PMID 17766644. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2189575/. 
  2. ^ “Placenta 'fools body's defences'”. BBC News. (2007年11月10日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7081298.stm 2010年5月22日閲覧。 
  3. ^ Thompson D, Pepys MB, Wood SP. (1999). “The physiological structure of human C-reactive protein and its complex with phosphocholine.”. Structure 7 (2): 169–77. doi:10.1016/S0969-2126(99)80023-9. PMID 10368284. 
  4. ^ Rose L, Jenkins ATA (2006). “The effect of the ionophore valinomycin on biomimetic solid supported lipid DPPTE/EPC membranes”. Bioelectrochem. 70 (2): 387–93. doi:10.1016/j.bioelechem.2006.05.009. PMID 16875886. 
  5. ^ USDA Database for the Choline Content of Common Foods Release Two” (2008年). 2019年6月23日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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