ホンダ・XL > ホンダ・XL1000V バラデロ

XL1000V Varadero(エックスエルせんブイ バラデロ) は、本田技研工業がかつて製造販売したオートバイである。本項では同じくバラデロを車名に含むバラデロ125についても解説を行う。

車両解説

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XL 1000V Varadero
 
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
車体型式 SD02
エンジン SD02E型 996 cm3 
水冷4ストロークDOHCV型2気筒型 996cc
内径×行程 / 圧縮比 98 mm × 66 mm / 9.8:1
最高出力 93.8ps/7500rpm
最大トルク 9.99kg-m/6000rpm
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キューバリゾートタウンバラデロVaradero)にちなんだXLシリーズのフラグシップモデルとして1998年に発表。1999年からヨーロッパ地区中心に販売されたが、日本国内での正規販売はない。

VTR1000F排気量996ccの水冷4ストローク4バルブDOHC90°バンクV型2気筒エンジンをトルク重視にチューニングしスチール製フレームへ搭載し、アフリカツインよりも大型カウルを装着するデュアルパーパス系アドベンチャーツーリングモデルであるが、より舗装路向けにセッティングされたツアラーである。

SD02型以降は燃料供給をPGM-FI電子式燃料噴射装置へ変更し、環境性能ならびに燃費を向上させた。

モデル一覧

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本項は型式名別に解説を行う。

SD01型

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1999年 - 2002年に製造された若干丸みを帯びたカウルが特徴となる初代モデル。燃料供給方式はキャブレターマニュアルトランスミッションは5速である。

2000年までは浜松製作所で生産されていたが、2001年以降はスペインモンテッサ・ホンダへ移管された。

SD02型

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2003年 - 2006年に製造された2代目モデルでカウルデザイン変更・燃料供給インジェクション化・マニュアルトランスミッション6速化を実施。新たにABS搭載モデルも設定された。

SD03型

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オーストリア警察車両

2007年 - 2010年に製造された3代目モデル。ヨーロッパ内の自動車排出ガス規制EURO 3に適合させたモデルチェンジで、その他の主な変更点を以下に示す。

  • メーターカウルを変更。
  • 右側にキー付きBOXを装備するインナーカウルへ変更。
  • 燃料警告灯点灯後に走行可能距離表示自動切換機能を追加。
  • テールランプを従来の2灯式からウインカー1体1灯式としレンズ類もユーロ圏内での生産へ変更。
  • チョークレバー廃止。
  • シート・シートカウルを変更[注 1]

2010年に生産終了。

バラデロ125

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パラデロ125
2007年モデル
メーターパネル
2007年モデル

型式名JC32。別称はXL125V VARADERO

ヨーロッパでは普通自動車運転免許で日本の原付二種枠に該当する排気量125ccまで運転でき各種優遇措置を採用する国家も多く人気が高いことから、ヨーロッパ各国のみで正規販売されるエントリーモデルとして開発[注 2]

2001年からスペインのモンテッサ・ホンダが製造[1]。EURO 3対応へのモデルチェンジで燃料供給のPGM-FI化・ジュネレーター出力向上・燃料タンク17.5→16.8L容量ダウン・カウルデザインなどの変更を実施した2007年モデルは、全長x全幅x全高:2,145x847x1,250(mm)シート高802mm・最小回転半径2.3m・最低地上高190mm・ホイールベース1,450mm・重量169kgのほか、装着されるタイヤも100/90-18M/C 56P(前)・130/80-17M/C 65P(後)と125ccクラスにしては大柄であり、鋼管製ダブルクレードル型フレームに搭載されるJC32型VT SHADOW125と共用の水冷4ストロークSOHC90°バンク V型2気筒エンジンは、内径x行程:42.0x45.0(mm)・圧縮比11.8から最高出力14.3ps/11,000rpm・最大トルク10Nm/8,500rpmのスペックを誇り、マニュアルトランスミッションは5速となる[2]

2012年モデルを最後に生産終了。

脚注

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注釈

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  1. ^ シートはクッション性能向上の見返りに多少幅広になり足つき性が若干悪化した一方で、シートカウルはスリムになりサイレンサー交換を簡易化。
  2. ^ 日本国内へは代理店を通して輸入・登録された個体が存在する。

出典

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外部リンク

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関連項目

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上述3車はV型2気筒エンジンを搭載する同社製デュアルパーパスモデル