ボナ・ドラッグ

モリッシーのコンピレーション・アルバム

ボナ・ドラッグ』(Bona Drag)は、モリッシー1990年に発表したコンピレーション・アルバム。ソロ・アルバムとしては通算2作目に当たる。

ボナ・ドラッグ
モリッシーコンピレーション・アルバム
リリース
録音 1988年 - 1990年
ジャンル オルタナティヴ・ロックインディー・ロック
時間
レーベル イギリスの旗欧州連合の旗HMV
アメリカ合衆国の旗サイアー・レコード/リプリーズ・レコード
プロデュース クライヴ・ランガー&アラン・ウィンスタンリー(on #1, #3, #7, #10, #11)[1]
スティーヴン・ストリート英語版(on #2, #4, #5, #6, #8, #9, #12, #13, #14)[1]
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 9位(イギリス[2]
  • 40位(ニュージーランド[3]
  • 59位(アメリカ[4]
  • モリッシー アルバム 年表
    ビバ・ヘイト
    (1988年)
    ボナ・ドラッグ
    (1990年)
    キル・アンクル
    (1991年)
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    背景 編集

    モリッシーはソロ・デビュー作『ビバ・ヘイト』(1988年)制作後、ギタリストのヴィニ・ライリーを解雇し、その後一時的に、ザ・スミス時代の盟友クレイグ・ギャノン、アンディ・ルークマイク・ジョイスを迎え入れた[5]。最終的には、ギャノンとジョイスはシングル「ラスト・オブ・ザ・フェイマス・インターナショナル・プレイボーイ」(1989年2月発売)と「インテレスティング・ドラッグ」(1989年4月発売)のみの参加となるが、ルークはその後も、ソングライティングやレコーディングに貢献した[6]。そして、本作は当初予定されていた「2作目のスタジオ・アルバム」ではなく、シングルA面/B面曲を集めた作品として発売され[5]、収録曲のうち「エヴリデイ・イズ・ライク・サンデー」と「スエードヘッド」は『ビバ・ヘイト』にも収録されていた[7]。ただし、「ピカデリー・パラーレ」のみ新曲で[8]マッドネスのボーカリストであるサッグスがゲスト参加した[9]

    一部の曲をプロデュースしたクライヴ・ランガーとアラン・ウィンスタンリーのコンビは、次作『キル・アンクル』(1991年)も引き続き手がけた[5]

    反響・評価 編集

    先行シングル「ピカデリー・パラーレ」は全英シングルチャートで18位に達し、ソロ転向後としては7作目の全英トップ20シングルとなった[10]。続いて発売された本作は、全英アルバムチャートで9位を記録した[2]。アメリカでは16週Billboard 200入りし、最高59位を記録して[4]、リリースから約10年後の2000年6月には、RIAAによりゴールドディスクの認定を受けた[11]

    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「多くの曲がモリッシーを代表する名曲で、『ビバ・ヘイト』以上に首尾一貫した、そして楽しめるレコード」と評している[7]

    収録曲 編集

    特記なき楽曲はモリッシーとスティーヴン・ストリートの共作。

    1. ピカデリー・パラーレ "Piccadilly Palare" (Morrissey, Kevin Armstrong) – 3:26
      • 1990年10月リリースのシングルA面曲。
    2. インテレスティング・ドラッグ "Interesting Drug" – 3:27
      • 1989年4月リリースのシングルA面曲。
    3. モンスターが生まれる11月 "November Spawned a Monster" (Morrissey, Clive Langer) – 5:25
      • 1990年4月リリースのシングルA面曲。
    4. ウィル・ネバー・マリー "Will Never Marry" – 2:22
      • 12インチ・シングル「エヴリデイ・イズ・ライク・サンデー」(1988年6月リリース)のB面曲。
    5. サッチ・ア・リトル・シング・メイクス・サッチ・ア・ビッグ・ディファレンス "Such a Little Thing Makes Such a Big Difference" – 2:51
      • 「インテレスティング・ドラッグ」のB面曲。
    6. ラスト・オブ・ザ・フェイマス・インターナショナル・プレイボーイ "The Last of the Famous International Playboys" – 3:37
      • 1989年2月リリースのシングルA面曲。
    7. ウィジャボード、ウィジャボード "Ouija Board, Ouija Board" – 4:25
      • 1989年11月のシングルA面曲。
    8. ヘアドレッサー・オン・ファイアー "Hairdresser on Fire" – 3:50
      • 12インチ・シングル「スエードヘッド」(1988年2月リリース)のB面曲。
    9. エヴリデイ・イズ・ライク・サンデー "Everyday Is Like Sunday" – 3:33
      • アルバム『ビバ・ヘイト』(1988年)からの第2弾シングル。
    10. ヒー・ノウズ・アイド・ラヴ・トー・シー・ヒム "He Knows I'd Love to See Him" (Morrissey, K. Armstrong) – 3:08
      • 「モンスターが生まれる11月」のB面曲。
    11. イエス、アイ・アム・ブラインド "Yes, I Am Blind" (Morrissey, Andy Rourke) – 3:44
      • 「ウィジャボード、ウィジャボード」のB面曲。
    12. ラッキー・リスプ "Lucky Lisp" – 2:51
      • 「ラスト・オブ・ザ・フェイマス・インターナショナル・プレイボーイ」のB面曲。
    13. スエードヘッド "Suedehead" – 3:54
      • アルバム『ビバ・ヘイト』からの第1弾シングル。
    14. ディサポインテッド "Disappointed" – 3:05
      • 「エヴリデイ・イズ・ライク・サンデー」のB面。

    2010年再発盤ボーナス・トラック 編集

    いずれも未発表音源である[8]

    1. "Happy Lovers at Last United" – 3:13
    2. "Lifeguard on Duty" – 2:54
    3. "Please Help the Cause Against Loneliness (Demo Version)" – 2:09
    4. "Oh Phoney" (Morrissey, K. Armstrong) – 2:01
    5. "The Bed Took Fire" – 2:39
    6. "Let the Right One Slip In (Long Mix)" (Morrissey, Alain Whyte) – 3:14

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    1. ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
    2. ^ a b Morrissey | full Official Chart History | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される。
    3. ^ charts.org.nz - Morrissey - Bona Drag
    4. ^ a b Morrissey - Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2023年6月13日閲覧。
    5. ^ a b c Morrissey: "It sounds too much like Waitrose. It needs to be more Harrods"”. Uncut. NME Networks (2013年10月17日). 2023年6月13日閲覧。
    6. ^ 『ザ・スミス・ファイル』シンコー・ミュージック、2003年11月3日、168-170頁。ISBN 4-401-61829-7 
    7. ^ a b Erlewine, Stephen Thomas. “Morrissey - Bona Drag Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年6月13日閲覧。
    8. ^ a b モリッシー、ソロ初期の編集盤『ボナ・ドラッグ』を発売20周年盤化! 未発表音源あり”. CDJournal. 音楽出版社. 2023年6月13日閲覧。
    9. ^ Thompson, Dave. “Piccadilly Palare by Morrissey - Track Info”. AllMusic. 2023年6月13日閲覧。
    10. ^ Morrissey | full Official Chart History | Official Charts Company
    11. ^ Golg & Platinum”. RIAA. 2023年6月13日閲覧。

    外部リンク 編集