マーナサローワル湖(マーナサローワルこ、チベット文字མ་ཕམ་གཡུ་མཚོ།ワイリー方式ma pham g.yu mtsho; サンスクリット: मानसरोवर ; 中国語: 瑪旁雍錯 Mapan Yongcuo、: Manasarovar Lake)は、中華人民共和国チベット自治区ガリ地区プラン県にあるである。マーナサローヴァル湖マナサロワル湖とも呼ばれる。

マーナサローワル湖
マーナサローワル湖の位置(チベット自治区内)
マーナサローワル湖
マーナサローワル湖
位置 中華人民共和国の旗 中華人民共和国チベット自治区プラン県
座標 北緯30度39分 東経81度27分 / 北緯30.65度 東経81.45度 / 30.65; 81.45座標: 北緯30度39分 東経81度27分 / 北緯30.65度 東経81.45度 / 30.65; 81.45
面積 410 km2 (160 sq mi)
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ジャイナ教[1]ヒンドゥー教[2][3]仏教[4]ボン教の4つの宗教の聖地とされている[5]

概要 編集

カイラス山の近くに所在し、ナムツォ(納木錯)、ヤムドク湖(羊卓雍錯)と共にチベット三大聖湖と呼ばれる。仏教においては、理想郷である「阿耨達池(無熱悩池)」、あるいは浄土のモデルとされる[5]

マーナサローワル湖は、北をカラコルム山脈、南をヒマラヤ山脈に囲まれたヤルンツァンポ川(ブラフマプトラ川)の最上流にあり、また西隣りのラークシャスタール湖(Rakshastal Lake)と共に、インダス川の主要支流であるサトレジ川の源流ともなっている[6]。一般に「マーナサローワル湖」と世界的に呼ばれているのは、サンスクリット語の「マーナサ(心の)・サローワラ(湖)」(मानस सरोवर)が起源で、『マハーバーラタ』にもマーナサ湖として見える。

ツォナ湖などと共に、世界で最も高所にある淡水湖と言われている[7]。また、湖水の透明度も高いことで知られる[8]

湖にはHerzensteinia microcephalus英語版Triplophysa stewarti英語版などの固有種の魚類が生息しており、周辺はオグロヅルチルーユキヒョウなどの生息地である。付近のStipa glareosa中国語版亜高山帯砂漠草原とStipa purpurea中国語版Carex moorcroftii中国語版スズメノカタビラCaragana versicolor中国語版などの高山植物草原があり、2004年に西隣のラークシャスタール湖と共にラムサール条約登録地となった[9]

交通アクセス 編集

ラサ市からG318国道を西へラツェ(拉孜県)まで、そこからG219国道を西へカシミール方向へ行き、途中のカイラス山の手前に所在する。総距離は約2,000キロメートル[10]

脚注 編集

  1. ^ 'Lost' tirth of Jains traced to Himalayas - Latest News & Updates at Daily News & Analysis”. dnaindia.com (2011年12月30日). 2017年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月29日閲覧。
  2. ^ Charles Allen. (1999). The Search for Shangri-la: A Journey into Tibetan History, p. 10. Little, Brown and Company. Reprint: Abacus, London. 2000. ISBN 0-349-11142-1.
  3. ^ In Search of Myths & Heroes By Michael Wood
  4. ^ The Jewel Tree of Tibet – Robert Thurman. Soundstrue.com. Retrieved on 2013-07-18.
  5. ^ a b 正木 2012, p. 69.
  6. ^ Sven Hedin: Southern Tibet (1917) (ヘディン「南チベット」復刻版 12巻1991年 デリー刊]}
  7. ^ マーナサローワル湖(百度百科) (中国語)
  8. ^ 「マーナサローワル湖」『百科事典マイペディア』
  9. ^ Mapangyong Cuo | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2012年1月1日). 2023年4月9日閲覧。
  10. ^ 中英文対照『《西蔵游》旅游地図』(西安地図出版社、2009年)

参考文献 編集

関連項目 編集