メディスン[1]Medicine)は、アメリカロサンゼルスで結成されたノイズポップ・バンドである。1990年代に3枚のアルバムを残し活動を休止した後、2003年に活動を一時的ながら再開。2013年以降、リーダーであるブラッド・レイナーのソロ・プロジェクト的な活動を続けている。

メディスン
Medicine
別名 メディシン
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス
ジャンル オルタナティヴ・ロックシューゲイザーノイズポップ
活動期間 1991年 - 1995年2003年2013年 -
レーベル クリエイション・レコーズ、American Recordings、Wall of Sound、キャプチャード・トラックス、Drawing Room
メンバー ブラッド・レイナー
旧メンバー ベス・トンプソン
ジム・グッダール
ジム・パトナム
エディー・ルシェ
ジャスティン・メルダル・ジョンセン
シャノン・リー
アネット・ジリンスカス
マット・ディヴァイン

来歴 編集

リーダー、ブラッド・レイナーの独自性の強いギターの音色から、ジャンルはシューゲイザーに分類されることが多い。このギターサウンドはYAMAHAの4トラック・レコーダーをエフェクターとして利用することで発生させていると本人がインタビューで語っている。

1991年リック・ルービンの立ち上げたAmerican Recordingsと契約。

1992年、当時のインディーロック・ムーブメントを牽引していたクリエイション・レコーズからシングル「Aruca」及びアルバム『Shot Forth Self Living』をリリース。極端に高音を強調した、金属的とも称されるミックスが特徴。

1993年にはファースト・アルバムからの楽曲「5ive」などを収録した『5ive』(EP)や、シングル「Never Click」(後にロンドンのClub AC30が企画したシューゲイザー・カバー集『Never Lose That Feeling Volume One』でも取り上げられた)及びアルバム『The Buried Life』をリリース。

全体的にベスのボーカルをフィーチャーした楽曲が増えポップな印象を受けるが、破壊的なギターサウンドは健在。収録曲「Live It Down」では、ビーチ・ボーイズ等との仕事で知られるヴァン・ダイク・パークスがピアノ、アレンジで参加している。

1994年スマッシング・パンプキンズビリー・コーガンによる「She Knows Everything」(アルバム『The Buried Life』収録)のリミックスが『Sounds Of Medicine』(EP)に収録される。このトラックにはジミー・チェンバレン(同スマッシング・パンプキンズ)のドラムが使用されている。また、映画『クロウ/飛翔伝説』のサウンドトラックに「Time Baby III」が使用されている。『Sounds Of Medicine』(EP)にも収録されたこのトラックは、『5ive』(EP)収録曲「Time Baby II」を、コクトー・ツインズのロビン・ガスリー、エリザベス・フレイザーらがリミックスしたものである。

1995年、アルバム『Her Highness』及び7インチ・シングル「Off The Vine」をリリース後、活動を休止。ブラッド・レイナーはエレクトロニカ系のソロ・ユニットであるElectric Company、バンドのAmnesia、元トゥールポール・ダムールらと結成したサイケ・ロック・バンドのラスクなどで精力的に活動を継続。

ブルース・リーの実娘、シャノン・リーをボーカリストに迎え、ブラッドとの2人組でメディスンを再開。2003年にはアルバム『The Mechanical Forces of Love』がリリースされた。自らのユニットElectric Company等からの影響も窺える、デジタルオーディオワークステーション(DAW)、テクノロジーを駆使した音使いで新たな側面を見せたが、一時的な活動となった。

その後もブラッドはギタリストChristopher WillitsとのユニットNorth Valley Subconscious Orchestra、本人名義(ブラッド・レイナー)でのソロ作を発表するなど活動を行いつつ、2013年からメディスン名義でのリリースもコンスタントに行っている。

その他 編集

  • カナダエレクトロニカ・プロジェクト、カリブー(ex.マニトバ)の楽曲「Barnowl」において、『Shot Forth Self Living』の1曲目「One More」のギターがサンプリングされている。
  • 脱退したジム・パトナム、エディー・ルシェらは後にバンド、Maids Of Gravityを結成するが、ベス・トンプソンがボーカルで参加している楽曲がある。

メンバー 編集

1990年代 編集

  • ブラッド・レイナー (Brad Laner) - ギター、ボーカル、キーボード、ベース、ノイズ
  • ベス・トンプソン (Beth Thompson) - ボーカル
  • ジム・グッダール (Jim Goodall) - ドラム
  • ジム・パトナム (Jim Putnam) - ギター (後に脱退)
  • エディー・ルシェ (Eddie Ruscha) - ベース (後に脱退)
  • アネット・ジリンスカス (Annette Zilinskas) - ボーカル (初期)
  • ジャスティン・メルダル・ジョンセン (Justin Meldal-Johnsen) - ベース (『Her Highness』)

2000年代 編集

  • ブラッド・レイナー (Brad Laner) - ギター、プログラミング
  • シャノン・リー (Shannon Lee) - ボーカル
  • ジム・グッダール (Jim Goodall) - ドラム
  • マット・ディヴァイン (Matt Devine) - ギター
  • アネット・ジリンスカス (Annette Zilinskas) - ボーカル

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

  • Shot Forth Self Living (1992年、Def American/Creation)
  • The Buried Life (1993年、American)
  • Her Highness (1995年、American)
  • The Mechanical Forces of Love (2003年、Wall of Sound/Astralwerks)
  • To the Happy Few (2013年、Captured Tracks)
  • 『ホーム・エブリーウェアー』 - Home Everywhere (2014年、Captured Tracks)
  • Scarred For Life (2019年、Drawing Room)
  • Drugs (2022年、Self-released)

ライブ・アルバム 編集

  • Always Starting to Stop (2012年、Captured Tracks)
  • In Session (2013年、Captured Tracks)

コンピレーション・アルバム 編集

  • Remains 1992-1995 (2011年、self-released)
  • Box Set (2012年、Captured Tracks)
  • Falls (2019年、Brava Entertainment)

シングル & EP 編集

  • "Aruca" (1992年、Creation)
  • "5ive" (1993年、Creation)
  • "Never Click" (1993年、Beggars Banquet)
  • Sounds of Medicine EP (1994年、American)
  • "Time Baby 3" (1994年、American)
  • "Candy Candy" (1995年、American)
  • "Off the Vine" double 7" (1995年、Ectoplasm)
  • Wet on Wet EP (2002年、Wall of Sound)
  • "I Smile to My Eyes" (2003年、Wall of Sound)
  • "As You Do" (2004年、Wall of Sound)
  • "Time Baby 2" (2011年、Captured Tracks)
  • "Long as the Sun" (2013年、Captured Tracks)

脚注 編集

  1. ^ メーカー表記は「メディシン

外部リンク 編集