チチュウカイミドリガニ

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チチュウカイミドリガニ(地中海緑蟹・学名Carcinus aestuarii、英名Green crab)は、エビ目・カニ下目・ワタリガニ科に分類されるカニ。地中海を中心に分布しているが、船舶のバラスト水等により世界中に運ばれ、1817年には北米大陸に移出し、日本でも1984年に東京湾で発見されて以降、日本中の内海に定着している。日本では近縁でよく似たヨーロッパミドリガニC. maenas)とともに要注意外来生物に指定されている。 [1][2]

チチュウカイミドリガニ
チチュウカイミドリガニ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 甲殻綱 Crustacea
: エビ目 Decapoda
亜目 : エビ亜目 Pleocyemata
下目 : カニ下目 Brachyura
: ワタリガニ科 Portunidae
: Carcinus属 Carcinus
: チチュウカイミドリガニ C. aestuarii
学名
Carcinus aestuarii (Nardo, 1847)
和名
チチュウカイミドリガニ
英名
Mediterranean green crab
Mediterranean crab

特徴 編集

 
ヨーロッパミドリガニCarcinus maenas
 
青:自然分布地 赤:移植分布地 黒:侵入防御地 緑:生息可能地 

甲幅は10cmを超える比較的大型のカニで、主に内海の沿岸部の潮下帯に多く生息する。甲羅は緑色のまだら模様であり、ガザミと同じく前縁部に丸みがある。他のワタリガニ科のカニは通常、第五脚が遊泳脚であるが、本種は歩脚であることが大きな特徴である。汚染に強く、東京湾最奥部の、他のカニが少ない場所でもよく繁殖する。日本に帰化したものは、ヨーロッパミドリガニCarcinus maenas)との雑種の可能性がある。原産地では食用とされる。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/QuotDisp?LOCALID=ART0003305460&DB=NELS&USELANG=jp
  2. ^ http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_mu.html#6