モジョ・メンThe Mojo Men)は、サンフランシスコを拠点とするアメリカのロックバンドである。1965年に結成され、1969年の解散まで何度か改名と人事異動を繰り返した。ビルボードホット100の最高位は、バッファロー・スプリングフィールドの「Sit Down, I Think I Love You」のカバーで、1967年に36位を記録している。

モジョ・メン
The Mojo Men
1967年
基本情報
別名 スライ&ザ・モジョ・メン、ザ・モジョ、モジョ
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ
ジャンル
活動期間 1965–1969
レーベル Autumn, Warner Bros/Reprise, GRT Records
共同作業者 スライ・ストーン, ザ・ヴェジタブルズ
旧メンバー ジム・アライモ
ポール・カーチョ
ドン・メチック
ボブ・カーハート
デニス・デカー (Dennis Potokar)
ヤン・エリコ
スライ・ストーン

ヒストリー

編集

シンガー/ベーシストのジム・アライモ(né James Charles Alamio、1938-1992)、ギタリストのポール・カーチョ、ドラマーのデニス・デカー、キーボードのドン・メチックはフロリダでのバンド仲間で1964年にサンフランシスコに移住して新しいバンドを結成した[1]。そこで彼らは、後にスライ・ストーンとして知られるシルベスター・スチュワート(当時オータム・レコードのレコード・プロデューサーで、ボー・ブラメルズやザ・ヴェジタブルズなどのアーティストを手がけていた)と出会う。スチュワートとバンドはスライ・アンド・ザ・モジョ・メンという名前で数曲録音したが、スチュワートはその結果に満足せず、リリースしないことを選択した[2][3]。その後も、モジョメン初のビルボードホット100チャート入りを果たした「Dance with Me」(1965年)や「She's My Baby」(1966年)でソングライター、プロデューサーとしてバンドと協働した[4]

1966年にデカーが脱退し、代わりに元ヴェイタブルの女性ドラマー/ボーカリスト、ジャン・エリコが加入した[5]。その後、モジョ・メンは所属のオータムレコードが倒産し、リプリーズ・レコードに吸収された事によって移籍することになり、それまでのブリティッシュ・インヴェイジョンに影響を受けたガレージ・ロック・スタイルをポップ/フォーク・ロックへと進化させた[6]。1967年、バンドはバッファロー・スプリングフィールドの「Sit Down, I Think I Love You」のバロック・カヴァー・バージョンをリリースした。スティーヴン・スティルスが作曲し、ヴァン・ダイク・パークスによってアレンジされたこの曲は、モジョ・メンの最初で唯一のトップ40シングルとなった[4][5]。1968年にメチックが脱退し、残されたトリオはバンド名をザ・モジョ、さらにモジョと短縮して、GRTレコードから唯一のスタジオアルバム『モジョ・マジック』を発表した。バンドは1969年に解散した[4][5]

1972年に発売されたガレージ・ロック・コンピレーション・アルバムの代表作、『ナゲッツ:オリジナル・アーティファクツ・フロム・ザ・ファースト・サイケデリック・エラ、1965-1968』に「Sit Down, I Think I Love You」が収録された[7]。Sundazed Recordsは1995年から2003年にかけて3枚のモジョ・メンのコンピレーションアルバムをリリースし、2008年にはBig Beat Recordsからコンピレーション『Not Too Old to Start Cryin': The Lost 1966 Masters』をリリースした。バンドのシングル「She's My Baby」は、カニエ・ウェストの2010年のアルバム『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』の収録曲「Hell of a Life」でサンプリングされた[8]

クルチオはニューヨーク州ロチェスターにミュージック・アメリカ・スタジオを設立し、メタリカのデビュー・スタジオ・アルバム『キル・エム・オール』(1983年)を制作した。2018年9月10日、74歳で死去した。[9]

ディスコグラフィー

編集

スタジオアルバム

編集
Year Album details
1968 Mojo Magic
  • Label: General Recorded Tape

コンピレーション・アルバム

編集
Year Album details
1995 Whys Ain't Supposed To Be
  • Label: Sundazed
1995 Sit Down... It's The Mojo Men
  • Label: Sundazed
2003 There Goes My Mind
  • Label: Sundazed
2008 Not Too Old to Start Cryin': The Lost 1966 Masters
  • Label: Big Beat

シングル

編集
Year Song Peak chart positions
U.S. Billboard[10] U.S. Cashbox CAN

1965 "Off the Hook"

"Dance with Me"

61 98 23
1966 "She's My Baby"

1967 "Sit Down, I Think I Love You"

36 39 26
"Me About You"

83 93 70
1968 "What Ever Happened To Happy"

"New York City"

"Should I Cry"

"Don't Be Cruel"

1969 "I Can't Let Go"

"Candle to Burn"

"Everyday Love"

"—" denotes releases that did not chart.

脚注

編集
  1. ^ Joynson, Vernon (1997). Fuzz, Acid and Flowers: A Comprehensive Guide to American Garage, Psychedelic and Hippie Rock (1964–75) (4th ed.). Glasgow: Borderline Productions. p. 210. ISBN 978-1-899855-06-3 
  2. ^ Fong-Torres, Ben (1999). Not Fade Away: A Backstage Pass to 20 Years of Rock & Roll. San Francisco: Backbeat Books. p. 23. ISBN 978-0879305901. https://archive.org/details/notfadeawaybacks00fong_0 
  3. ^ Whitburn, Joel (1989). The Billboard Book of Top 40 Hits (4th ed.). New York: Billboard Books. p. 292. ISBN 978-0823075270 
  4. ^ a b c Larkin, Colin (1998). The Virgin Encyclopedia of Sixties Music (1st ed.). London: Virgin Books. p. 312. ISBN 978-0753501498 
  5. ^ a b c Unterberger. “The Mojo Men – Biography”. AllMusic. July 14, 2012閲覧。
  6. ^ Unterberger. “'Sit Down...It's the Mojo Men' – Overview”. AllMusic. July 14, 2012閲覧。
  7. ^ O'Connor (July 9, 2009). “25 Garage Rock Heroes”. Yahoo! Music. July 17, 2012閲覧。
  8. ^ Harvilla, Rob (November 18, 2010). “Download All The Songs Sampled On Kanye West's My Beautiful Dark Twisted Fantasy”. The Village Voice. http://blogs.villagevoice.com/music/2010/11/download_all_th.php July 17, 2012閲覧。 
  9. ^ Reyes-Kulkarni (September 27, 2018). “Paul Curcio, Producer of Metallica's 'Kill 'Em All' Debut, Dies at 74”. Billboard. June 18, 2021閲覧。
  10. ^ The Mojo Men – 'Billboard' Singles”. AllMusic. July 14, 2012閲覧。

外部リンク

編集