ヤマハ・FZ400R(エフゼットよんひゃくアール)は、XJ400ZをベースとしたF3ワークスレーシングマシンFZRの、本格的なレーサーレプリカとして、ヤマハ発動機が発売したオートバイ

FZ400R(初代)

XJ400Zの水冷エンジンをベースに、クラス最高の59馬力を発生するエンジンを、スチール製角パイプフレームに搭載。フロント16×リア18インチのクイックなハンドリングで、峠道やサーキットで大人気を誇り、1986年に同車をより発展させたFZR400が発売された後も、継続して販売される息の長さを見せた。

姉妹車ネイキッド版のFZ400Nもある。1984年12月発売。鉄製のセパレート式UPハンドルの採用、シリンダーヘッド及び、クランクケースの金色塗装などが装飾される。ソリッドカラーの2タイプ。

このネイキッド版は、アップハンドル化などの仕様で、基本性能の優れた車両である評価が高かった為か、自動車教習所の教習車(1984~1986:FZ400K ストーミーレッドorレジナブルー / 1987~FZ400R-L ニューヤマハブラック)としても積極的に利用される。Rモデルとの違いは、カウルレス(初期(K):フレームマウントの角型ヘッドライトモデル / 後期(R-L):ハンドルマウントの角型ヘッドライトモデル)、ハンドルマウント方法、パイプ製ワイドハンドル、鉄製ステッププレート、キャスター角、オイルシール類、確認用灯火類含む各種配線類、バッテリー充電用外部端子(シートカウル横)、メインスタンドの追加などである。

遍歴 編集

初代

1984年5月発売。カラーは、いわゆるデイトナカラーと呼ばれる、紺(コスミックブルー)・白(シルキーホワイト)ツートンに赤のストロボラインの一種類のみ。4-2-1集合マフラーは、ノーマルにしては、低く重低音が響き、高回転時の甲高い音とともに、「排気音が非常に良い」と評された。丸目2灯のヘッドライトが収まるハーフカウルがフレームマウントされており、その造形の美しさの評価も高い[1]。造形は当時ヤマハ発動機のオートバイデザインを担当していたGK Dynamics(GK ダイナミックス)が行った。

1985年、赤黒カラー(ニューヤマハブラック/ストーミーレッド)及び、カウルレスのFZ400N(ストーミーレッド:レジナブルー)を発売。

2代目

1986年3月、エアロミラーの採用に伴うミラー取付フレーム形状変更やアルミ製ハンドル(小UP)、ホイールのホワイト塗装、ヒンジで90度上がるエアプレーンタイプのフューエルキャップなどの変更。また、青白(シルキーホワイト/フレンチブルー)の新色を追加。※初期型と同色(紺・白/赤ストロボType)共々、ナックルガードのデカールデザイン及び、センターカウルFZ文字のデザインも変更。また。集合マフラーのサイレンサー部分をアルミで巻く装飾がなされ内部も見直し。ノーマルでもやや音量・音質ともに野性的との声が大きかった初代のマフラーが、一部から批判されたことからか、初期型に比べ、やや大人しめの排気音となる。

3代目

1987年10月、フルフェアリング及びシングルシートカバー(初期型~2型はメーカーオプション)を標準装備。紺・白はシートカウル(ストロボライン)のデザインを変更。追加カラーは、ニューヤマハブラック(黒とガンメタリックのツートンにゴールド/ホワイトのライン)。諸元に大きな変更はない。(2型同)

脚注 編集

  1. ^ 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p99

外部リンク 編集