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ヤン・ゴンダ(姓はホンダとも)(Jan Gonda、1905年4月14日 - 1991年7月28日)は、オランダインド学者。古代インドの言語と宗教の研究者として知られる。

生涯編集

ゴンダはゴーダに生まれ、ユトレヒト大学西洋古典学を専攻し、このときウィレム・カーランドにサンスクリットなどを学んだ。1929年に印欧語の語根 *deik- に関する論文で博士の学位を得た後、ライデン大学インドネシアの諸言語について研究した[1]

カーランドの没後、1932年にユトレヒト大学のサンスクリット教授に就任した。同年マレー語およびジャワ語学・文学の教授も兼任した(1950年まで)。1976年に退官したが、その後も1991年に没するまで著作の執筆と出版を続けた[1]

没後、オランダ王立芸術科学アカデミー内にインド研究のためのゴンダ基金が設けられた[2]

主な著書編集

ゴンダは著書70冊をはじめとする総数720点の著述を残している[3]。言語もオランダ語ドイツ語フランス語英語と多様である。初期の著書はインドネシアおよびサンスクリット文法に関するものが多い。1950年代以降はインド研究に専念し、ヴェーダの宗教の研究の比重が高くなっていった[1]

ゴンダのサンスクリット文法書はドイツ語で書かれ、1941年に出版された後、何度も改訂された。1966年にフランス語と英語、1974年に日本語、1982年にスペイン語に翻訳された[1]。この文法書は演習問題が充実しているため、授業で使われることが多い。

  • Kurze Elementar-Grammatik der Sanskrit-Sprache. Mit Übungsbeispielen, Lesestücken und einem Glossar. Leiden: Brill. (1941). 
    • 日本語訳:『サンスクリット語初等文法―練習題, 選文, 語彙付』鎧淳訳、春秋社、1989年。

授業用の読本は英語で書かれ、日本語に翻訳されている。

  • A Sanskrit Reader, containing seventeen Epic and Purānic texts. Utrecht: Oosthoek. (1935). 
    • 日本語訳:『サンスクリット叙事詩・プラーナ読本』鎧淳訳、法藏館、1995年。

日本語訳のある『インド思想史』はオランダ語で書かれた。

  • Inleiding tot het Indische denken. Antwerpen: Standaard-Boekhandel. (1948). 

ゴンダは長期にわたってジャワ語文献の研究を行い、1952年には大著『インドネシアのサンスクリット』を出版した。

  • Sanskrit in Indonesia. Nagpur: International Academy of Indian Culture. (1952). 

ゴンダは『インド文献史』全10巻(30冊)の総編集者であり、その第1巻(ヴェーダ、2冊)を執筆した[4]

  • A History of Indian Literature. Wiesbaden: Otto Harrassowitz. (1973-1987). 

1975年に70歳を記念して5巻からなる論文集が出版された。没後に第6巻(2冊)が追加出版された[3]

  • Selected Studies of Jan Gonda. Brill. (1975,1991). 

脚注編集

  1. ^ a b c d H. W. Bodewitz (1991). “Jan Gonda (14 April 1905 - 28 July 1992”. Indo-Iranian Journal 34 (4): 281-286. JSTOR 24655600. 
  2. ^ Gonda Fund, The Royal Netherlands Academy of Arts and Sciences, https://www.knaw.nl/en/awards/funds/gonda-fund 
  3. ^ a b 原實ヤン・ホンダ選集、第六巻」『東洋学報』第75巻、1994年、 432-438頁。
  4. ^ 井ノ口泰淳「ヤン・ゴンダ編「インド文献史」全10巻 A History of Indian Literature. Edited by Jan Gonda. Verlag Otto Harrassowitz. Wiesbaden. の刊行をめぐって」『佛教學研究(龍谷大學佛教學會)』第34号、1978年、 41-46頁。