ラテックスアレルギー
ラテックスアレルギー (英: Latex allergy, 独: Latexallergie) は、医療用手袋などに使われている天然ゴムの成分によってアレルギー反応を起こす病態である。メロンや桃、栗などの果物に含まれる成分と交叉反応を起こすことがあり、フルーツアレルギーを合併するため、ラテックス・フルーツ症候群と呼ばれることがある。
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原因編集
天然ゴムの原料となるゴムの木は、そのほとんどがパラゴムノキという種類であり、東南アジア地域に集中して栽培されている。ラテックスは、成長したゴムの木の幹に傷をつけそこから得られた白い樹液であり、多くの蛋白質が含まれている。ゴム手袋など最終製品にもこの蛋白質が残留しておりアレルギー反応を起こすものと考えられる。主要アレルゲンは、Hevea brasiliensis proteins(b1~b10) まで同定されている。 また、ゴム製造における加硫促進剤として利用されるチウラム(テトラメチルチウラムジスルフィド)が、日本人では5~7%の人がアレルゲンの陽性率を示す[1]。バナナ・クリ・キウイのアレルギーとの交叉反応も知られる。
疫学編集
患者はラテックス製の手袋を使用する医師・看護師をはじめとした医療従事者に多いが、その手袋を使用した外科手術を受けたことにより一般患者が発症する例もある。また、二分脊椎症の患者にも多い(産後、早期に手術する際にラテックス手袋に対し感作されるため 。また、排尿障害のためラテックス製の持続導尿カテーテルを留置することが多いため)。
関連項目編集
脚注編集
- ^ 2011. 10. 24 特集●症例で学ぶ接触皮膚炎 Vol.7 日本人の感作率1位はニッケル、要注意はチウラム系化合物日経メディカル オンライン 記事:2011.10.24 閲覧:2011.10.25