ワン・フー

中国の伝説上の人物

ワン・フー: 万戸あるいは万虎、1500年ごろ)は、伝説によれば、世界で最初に「宇宙飛行士」になろうとしたの下級官吏である。

宇宙へ飛び立とうとしているワン・フー(マーシャル宇宙飛行センター提供)

月の裏側にあるクレーターワン・フー」は彼の名前にちなむ。

ワン・フーの伝説 編集

この逸話の出所は、1909年のアメリカの作家J・エルフレス・ワトキンス英語版1909年サイエンティフィック・アメリカンに書いた出所不明の記述である[1]

その後、ハーバート・S・ジムなどによって伝えられ、今の形となった[2][3][4]

16世紀の初め、ワンは中国の進んだロケット花火の技術を使って宇宙へ行くことを決心した。彼は恐らく、47本のロケットをつけた椅子を用意したのだろう。打ち上げの日、ワンはきらびやかな服を着て、椅子に座った。47人の従者がロケットに点火し、身を守るために急いで椅子から離れた。大きな爆発があり、煙が晴れると、彼と椅子はどこにも見当たらなかった。その後、彼の姿を見たものはいない」

この逸話は翻訳によって中国にも紹介された。発音だけでは表記を決定できないので、中国では「万戸」や「万虎」や「王富」と書かれるが、統一された表記はない。

そもそも中国において、ワン・フーについて記録された史料は存在しないため、ワン・フーは実在の人物ではなく、この逸話も後世の作り話である可能性が高いと考えられる。

脚注 編集

  1. ^ Watkins, J (2 October 1909). "The Modern Icarus". Scientific American.
  2. ^ Amazon.com: Rockets and jets,: Herbert Spencer Zim: Books
  3. ^ Pendray, George (1945). The Coming Age of Rocket Power. Harper & Brothers. p. 77.
  4. ^ Williamson, Mark (2006). Spacecraft Technology: The Early Years. IET.

関連項目 編集

外部リンク 編集