「七星聚会」の開始局面
(紅先)

七星聚會(しちせいじゅかい、拼音: qīxīngjùhuì チィーシィンヂィーフゥイ)は、シャンチー(中国象棋)の「四大江湖名局」の1つであり、シャンチーの「残局(終盤)の王」と称される[1]七星拱斗七星同慶七星曜彩七星棋江湖七星大七星などとも呼ばれる[2]。『心武残編中国語版』、『竹香齋中国語版』、『淵深海闊中国語版』といった代に出版された棋譜に記載されている。紅と黒の駒がそれぞれ7枚あるため[3]、『七星』の名が付けられた。

七星聚会では紅の兵を配置する方法が2通り存在する。1つは『心武残編』や『蕉窗逸品』のように兵を開始位置に配置し、もう1つは『百局象棋譜』や『竹香齋象戲譜』、『淵深海闊象棋譜』のように河界線上(右図)に配置する。2つの基本的な動きは似ているが、前者は少し複雑で、ほとんどの出版されている棋譜はこの配置を採用している[4]

特徴 編集

『七星聚会』の紅方が陥いりやすい罠の1つ

一見、紅方が勝つチャンスがあるように見えるが、実際は罠があり、黒方の勝ちとなってしまう。

例えば

  1. 二平四() 卒5平6
  2. 俥二兵九(

と指し進めると右図となり、紅は黒を詰ましたように見える。しかし黒は象5退7とすることで王手(将)を解除し、同時に紅は詰まされてしまう。

黒の将に即詰みは存在せず、したがって紅は巧妙な方法で詰めろを外し、その後の黒からの猛攻に耐える必要がある。互いに最善の手を指した場合、最後は引き分けに終わる。

影響 編集

1916年、デンマークのシャンチー愛好家チャーレス・クレーネ(Chalres Kliene)は、この排局とその変例を英語に翻訳してヨーロッパに紹介した[3]。中国象棋国際邀請賽(招待大会)が中国大陸で初めて開催された時、大会は「七星杯」と命名された[5]

出典 編集