中村 不二夫(なかむら ふじお、1950年 - )は、日本詩人

来歴 編集

神奈川県横浜市生まれ。神奈川大学法学部卒業[1]。1974年より東京都在住。恵泉女学園短期大学非常勤講師を務める(1992年から1999年)[2]

1979年に第一詩集『ベース・ランニング』、1984年に第二詩集『ダッグ・アウト』と、スポーツをタイトルとする独自の詩世界で颯爽と登場し、第三詩集『Mets』は第一回日本詩人クラブ新人賞を受賞した。[3]

一方で日本聖公会信徒であり、日本キリスト教詩人会に所属する[4]。信仰、愛、平和を現代に問う詩世界を構築する詩集『People』、『使徒』を刊行、2007年の第六詩集『コラール』は第33回地球賞を受賞した。[5]

また、『山村暮鳥論』をはじめとする詩論集でも独自の視点で詩と詩人を広く深く捉え、詩誌「柵」で連載中の『現代詩展望』では1990年代から現在までの詩と詩人の姿を浮き彫りにしている。[6]

月刊の全国詩誌『詩と思想』(当時土曜美術社、現在土曜美術社出版販売発行)の編集委員会に1985年から継続して参画し、全国の詩人を巻き込んだ詩の革新、興隆運動の中心メンバーとして活動している。編集長を経て現在は編集委員。[2]

所属団体の日本詩人クラブでも、理事長、会長を務め、詩の普及、詩人の交流に尽力。日本現代詩人会日本文藝家協会、関西詩人協会、日本キリスト教詩人会、中島敦の会(横浜)、暮鳥会(水戸)にも所属している。[7]

書籍 編集

詩集 編集

  • 『ベース・ランニング』(1979年、詩学社
  • 『ダッグ・アウト』(1984年、詩学社)
  • 『Mets』21世紀詩人叢書・第Ⅰ期4 (1990年、土曜美術社)、
    第1回日本詩人クラブ新人賞受賞。
  • 『People』(1995年、火箭の会)
  • 『アンソロジー中村不二夫』(2000年、土曜美術社出版販売
  • 『使徒』(2001年、土曜美術社出版販売
  • 『コラール』21世紀詩人叢書・第Ⅱ期28 (2007年、同上)、
    第33回地球賞受賞。
  • 『HOUSE(ハウス)』(2012年、同上)
  • 『鳥のうた』(2019年、同上)

詩論集 編集

  • 『<彼岸>の詩学』(1992年、有精堂出版
  • 『詩のプライオリティ』(1993年、土曜美術社出版販売
  • 『山村暮鳥論』(1995年、有精堂出版)
  • (『山村暮鳥―聖職者詩人』に改題再版。2006年、沖積舎
  • 『現代詩展望Ⅰ―1994~97―』(1998年、詩画工房
  • 『現代詩展望Ⅱ―世界詩の創造と条件―』(2000年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅲ―詩と詩人の紹介―』(2002年、詩画工房)
  • 『戦後サークル詩の系譜』(2003年、知加書房
  • 『現代詩展望Ⅳ―反戦詩の方法―』(2005年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅴ―詩的言語の生成―』(2007年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅵ―詩界展望―』(2010年、詩画工房)
  • 『現代詩展望Ⅶ―詩人の言語空間―』(2012年、詩画工房)
  • 『エッセイ集 詩の音』(2011年、土曜美術社出版販売
  • 『廃墟の詩学』(2014年、土曜美術社出版販売)
    第4回秋谷豊詩鴗賞受賞[8]
  • 『戦後サークル詩論』(2014年、土曜美術社出版販売)
  • 『辻井喬論』(2016年、土曜美術社出版販売
  • 『現代詩NOWⅠ』(2021年 土曜美術社出版販売)

共編者 編集

  • 川中子義勝『詩学入門』(2008年、土曜美術社出版販売)

脚注 編集

  1. ^ 戦後サークル詩論”. 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア. 2022年8月3日閲覧。
  2. ^ a b 日外アソシエーツ 東京都渋谷区人物・人材情報リスト 2017年
  3. ^ 同上
  4. ^ 『山村暮鳥―聖職者詩人』 沖積舎 2006年
  5. ^ 『辻井喬論』 土曜美術社出版販売 2016年 略歴
  6. ^ 同上
  7. ^ 日外アソシエーツ 現代評論家人名事典新訂第3版 2002年
  8. ^ 『辻井喬論』 土曜美術社出版販売 2016年 略歴