交響曲第20番 ハ長調 Hob. I:20 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した交響曲

概要

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初期の作品のひとつだが、自筆原稿は残されておらず、エステルハージ家の副楽長時代のものか、それ以前にボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時代のものかは明らかでない。

様式の上からは第32番第33番第37番など、早い時代(1757年から1760年頃)の他のハ長調交響曲に類似する[1]

第32番や第33番と並んで、トランペットとティンパニを使用した初期の祝祭的な交響曲とされることが多いが[2]ジェームズ・ウェブスター英語版によると、トランペットやティンパニを含む楽譜は時代の遅い信頼できないものしかない[1]

編成

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オーボエ2、ホルン2(、トランペット2、ティンパニ)、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンヴィオラ、低音(チェロコントラバスファゴット)。

高いC管のホルンによる高音が目立つ。

曲の構成

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全4楽章、演奏時間は約18分。

  • 第3楽章 メヌエット - トリオ
    ハ長調 - ヘ長調、4分の3拍子。
     
     
    メヌエット主部もトリオも、弱起の3拍めが3連符になった同じようなリズムを持つ。
    トリオ部分はヘ長調で、弦楽器のみで演奏される。
  • 第4楽章 プレスト
    ハ長調、8分の3拍子、三部形式
     
     
    両端の部分が長調、中間部が短調になっている。各部分はいわば「ミニソナタ」とも言うべき形式をしている[1]

脚注

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  1. ^ a b c デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第2巻、ウェブスターによる解説。1993年
  2. ^ たとえば、大宮(1981) p.174

参考文献

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  • 大宮真琴『新版 ハイドン』音楽之友社〈大作曲家 人と作品〉、1981年。ISBN 4276220025 
  • 『ハイドン 交響曲集II(13-27番) OGT 1590』音楽之友社、1981年。 (ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1964年のもの)

外部リンク

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