伏臥位

腹を床に着けて寝ている状態

伏臥位(ふくがい、: Prone position、Abdominal position)は、人間の体位(臥位)の一つ。を床に着けて寝ている状態[1]。そのため、腹臥位とも表記される[2]。俗に俯せ(うつぶせ)とも呼ばれる。また、会陰位(えいんい、: Ventral decubitus、Perineal position)とも呼ばれることがある[3]

上が仰臥位、下が伏臥位

うつぶせ寝 編集

歯科医師らは「うつぶせ寝」に対して、顎関節症(顎関節への負担)[4]や、並びなどの変化[5]の要因の一つという見解を示している。また、琉球大学医学部の秦野直助教授(2002年3月時点)らが調査したところ、「腎結石の罹患者には、うつぶせで眠る人が多い」という結果が出たことがある[6]女性の場合、クーパー靭帯(乳腺提靭帯)に負担がかかるため、胸の下垂・型崩れの原因になるという説がある[7]

「乳幼児突然死症候群」との関連 編集

厚生労働省によると、就寝(睡眠)時に赤ちゃんを「うつぶせ寝」にした場合の方が、「あおむけ寝」よりも乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率が高いとの情報がある[8]

伏臥位を用いる場面 編集

検査や治療時の体位として、ジャックナイフ位 (Jack-knife position)がある。これは、股関節を屈曲させた姿勢である。肛門の場合は伏臥位で、尿道などの場合は仰臥位で屈曲させる[9]

スポーツにおいては、スケルトンビーチ・フラッグスラグビートライ、(野球・ソフトボールの)ヘッドスライディングなどに、伏臥位の姿勢が見られる。背筋力を鍛えるフィジカルトレーニングバック・エクステンションなど)の際にも、腹を下にする。また、スポーツテストには、「伏臥上体反らし」という種目がある。

脚注 編集

  1. ^ ふくがい【伏臥位】の意味 - goo辞書(デジタル大辞泉)
  2. ^ ふくがい【腹臥位】の意味 - goo辞書(デジタル大辞泉)
  3. ^ 医歯薬出版「最新医学大辞典」2005年第3版
  4. ^ いざという時のために - 一般社団法人播磨歯科医師会
  5. ^ 寝癖による身体の力学的対応「うつ伏せ寝の顎にかかる負担は、なんと9キログラム」 - 堀泰典博士のホームページ(中部経済新聞、1997年1月7日付)
  6. ^ うつぶせで寝ると腎結石になりやすい - メディカルトリビューン あなたの健康百科
  7. ^ うつぶせで寝るとバストはつぶれる?……etc おっぱいとお尻の素朴な疑問Q&A。 - X BRAND(『an・an』2011年4月28日発売No.1756号、成城松村クリニック院長・松村圭子
  8. ^ 乳幼児突然死症候群(SIDS)をなくすために - 厚生労働省
  9. ^ 医学書院「医学大辞典」2003年第1版

関連項目 編集