入らずの森』(いらずのもり)は、日本の小説家宇佐美まことによる小説である。

入らずの森
著者 宇佐美まこと
発行日 単行本:2009年3月10日
文庫版:2012年3月12日
発行元 祥伝社
ジャンル ホラー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 単行本:四六判並製本
文庫版:文庫判
ページ数 単行本:320
文庫版:400
公式サイト 単行本:入らずの森 単行本 祥伝社
文庫版:入らずの森 文庫版 祥伝社
コード 単行本:ISBN 978-4-396-63313-4
文庫版:ISBN 978-4-396-33743-8
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単行本は、2009年3月10日に祥伝社より刊行された[1]。単行本の装幀は、かとうみつひこによる。文庫版は、2012年3月12日に祥伝社文庫より刊行された[2]

文筆家の門賀美央子は、「地味だけれども、力のある名作」「正統派ホラーであり、社会問題にも鋭く迫っている」と評している[3]。ミステリ評論家の千街晶之は、「『るんびにの子供』『虹色の童話』と同様に、登場人物の人生と、作中で起きる怪異とののっぴきならない関係が表現されている」と述べている[4]。文芸評論家の東雅夫は、「四国の霊的風土を背景とする本格的なホラー・ジャパネスク長編で、とても読み応えのある逸品」と評している[5]

あらすじ 編集

高知との県境にある愛媛の尾峨(おが)の地は、平家の落人が築いた隠れ里といわれている。圭介は、尾峨にある尾峨中学校に東京から赴任してきた。圭介には、陸上競技中の接触事故で、アスリートとしてのキャリアに終止符を打った過去があった。転校生である杏奈は、ある理由から尾峨の地を嫌っていた。隆夫は、広島から尾峨の地に移り住み、農業に勤しんでいるが、地域に溶け込めず疎外感を募らせていた。肩まである髪を金色に染めている杏奈を、隆夫は苦々しい気持ちで見ていた。無関係だった3人が不入森(いらずのもり)で交錯したとき、思わぬ出来事が起きる。

主な登場人物 編集

金沢圭介(かなざわ けいすけ)
中学校の体育教師。
吉田杏奈(よしだ あんな)
金髪の転校生。
松岡隆夫(まつおか たかお)
Iターン就農者。

脚注 編集

  1. ^ 入らずの森 単行本”. 祥伝社. 2018年10月13日閲覧。
  2. ^ 入らずの森 文庫版”. 祥伝社. 2018年10月13日閲覧。
  3. ^ 門賀美央子 (2016年9月14日). “宇佐美まこと『入らずの森』”. 2018年10月13日閲覧。
  4. ^ 千街晶之 (2017年10月24日). “宇佐美 まこと『角の生えた帽子』 “人生”を浮かび上がらせる傑作怪談集”. KADOKAWA. 2018年10月13日閲覧。
  5. ^ 有栖川有栖と宇佐美まこと”. 東雅夫 (2009年3月22日). 2018年10月13日閲覧。