六甲山上バス(ろっこうさんじょうバス)は、阪神電気鉄道子会社神戸六甲鉄道が運行している路線バス

六甲ケーブル山上駅バス停
六甲山上バス

路線 編集

六甲ケーブル山上駅と東六甲凌雲台遊園地を結ぶ六甲山上バス路線として、阪神電鉄バスによって、太平洋戦争中の休止期間を経て、1952年4月26日から運行が再開した(阪神電鉄バス六甲山上線)。

この阪神電鉄バスによる運行に対して、年中を通した運行や早朝運転・夜間最終便の延長など地元住民や観光客の要請に応じるために、1980年6月15日付けでこのバス路線営業権を阪神電鉄の子会社である六甲摩耶鉄道(現在の神戸六甲鉄道)に譲り渡し「六甲山上バス」として営業を開始した。

なお、六甲山上バスの運行エリアとなる東六甲へは、1957年に神戸市バスと阪神電鉄が運輸協定を結び、神戸市バスは三宮駅や奥摩耶から東六甲に至る路線、さらには芦有バスに連絡するために六甲最高峰や宝殿橋まで運行していたが、1975年に休止した。

現在の運行内容 編集

2009年9月1日改正より六甲ケーブル山上駅からロープウェー山頂駅までの往復路線に路線再編された。その後、バス行先表示などに系統番号が付番された。

2021年4月1日現在の運行系統は次のとおり[1]

1系統 編集

六甲ケーブル山上駅と六甲ガーデンテラス・六甲有馬ロープウェー山頂駅間を、サンセットドライブウェイ(兵庫県道16号明石神戸宝塚線)を経由して結ぶもの。

朝時間帯には六甲ガーデンテラスを経由しない便、夜時間帯には六甲有馬ロープウェー山頂駅へ乗り入れない便、冬季には六甲山スノーパークに乗り入れる便がある。

春季・夏季・秋季・冬季のそれぞれの期間に運行ダイヤが設定されている。

六甲有馬ロープウェー表六甲線が運休しているため、このロープウェーと六甲ケーブルとの間の連絡バスにもなっている。

3系統 編集

『六甲ミーツ・アート』開催時に運行される。六甲ケーブル山上駅と六甲ガーデンテラス間をサンライズドライブウェイ経由で結ぶ。「風の教会」停留所はかつて「旧オリエンタルホテル前」停留所に相当する

  • 六甲ケーブル山上駅 - 風の教会 - みよし観音前 - 高山植物園前 - アスレチックパーク前 - 六甲ガーデンテラス
    • 2018年度〜2023年度時点では、ケーブル山上駅10:25〜17:05発、ガーデンテラス10:40〜17:20発の間で40分間隔で、1日あたり10往復が運行される。所要時間は10分。

備考 編集

  • 2021年4月1日改正で以下の停留所で名称変更が行われた。()内は停留所番号。
    • 「オルゴールミュージアム前」(R04)→「ミュージアム前」
    • 「カンツリーハウス」(R06)→「アスレチックパーク前」
  • 2007年7月20日改正からは「六甲山ホテル前」(ホテル駐車場内)停留所へ乗り入れていたが、2017年12月末をもって廃止された。
  • 2009年8月1日改正から2010年度頃までは、始発の復路便として以下の路線が運行されていた(ロープウェー山頂駅8:25発→六甲ケーブル山上駅8:35着)。
    • [旧オリエンタルホテル回り]ロープウェー山頂駅 → 六甲ガーデンテラス →カンツリーハウス → 高山植物園前 → みよし観音前 → 旧オリエンタルホテル前 → 天狗橋東 →天狗橋西 → 六甲ケーブル山上駅

六甲山上循環バス(1980年6月〜2009年8月) 編集

「六甲山上循環バス」とも称して、六甲ケーブル山上駅からサンセットドライブウェイ(兵庫県道16号明石神戸宝塚線)を経由して六甲有馬ロープウェー山上駅へ、復路はサンライズドライブウェイを経由して六甲ケーブル山上駅へと戻る循環運行を行っていた。

2007年度時点での運行内容は以下の通り。

  • 六甲ケーブル山上駅 → 記念碑台 → オルゴール館前 → 高山植物園前 → カンツリーハウス → ロープウェー山上駅 → ガーデンテラス六甲(時間調整) →カンツリーハウス → 高山植物園前 → みよし観音前 → 六甲オリエンタルホテル前 → 天狗橋東 →天狗橋西 → 六甲ケーブル山上駅
  • [朝時間帯のみ]六甲ケーブル山上駅 → 記念碑台 → オルゴール館前 → 高山植物園前 → カンツリーハウス → ロープウェー山上駅 →カンツリーハウス → 高山植物園前 → みよし観音前 → 六甲オリエンタルホテル前 → 天狗橋東 →天狗橋西 → 六甲ケーブル山上駅
  • [夜時間帯のみ]六甲ケーブル山上駅 → 記念碑台 → オルゴール館前 → 高山植物園前 → カンツリーハウス → ロープウェー山上駅 → ガーデンテラス六甲(時間調整) →カンツリーハウス → 高山植物園前 → みよし観音前 → 六甲オリエンタルホテル前 → 天狗橋東 →天狗橋西 → 六甲ケーブル山上駅
  • [冬季のみ]六甲ケーブル山上駅 → 記念碑台 → オルゴール館前 → 高山植物園前 → 人工スキー場前 → カンツリーハウス → ロープウェー山上駅 → ガーデンテラス六甲(時間調整) →カンツリーハウス → 高山植物園前 → みよし観音前 → 六甲オリエンタルホテル前 → 天狗橋東 →天狗橋西 → 六甲ケーブル山上駅
  • [冬季のみ]六甲ケーブル山上駅 → 記念碑台 → オルゴール館前 → 高山植物園前 → 人工スキー場前(着/発)→カンツリーハウス → 高山植物園前 → みよし観音前 → 六甲オリエンタルホテル前 → 天狗橋東 →天狗橋西 → 六甲ケーブル山上駅

運賃制度 編集

運賃は対キロ区間制だが、『整理券方式』ではなく、降車時に乗車バス停を乗務員に申告する『申告制』をとる。障害者割引等については公式サイトを参照。

車両 編集

1980年6月に阪神電鉄バスから移管された時点では、イエローを基調にグリーン・レッド・ブルーを配した明るいボディに、「いのしし」や「きじ」の親子連れあるいは「六甲の草花」の絵を描き、それぞれ「いのしし号」「きじ号」「フラワー号」と名付けて運行されていた。

1990年代から2010年代にかけては、六甲ケーブルのクラシックタイプの塗装が施された。2018年1月からは六甲ケーブルのレトロタイプをベースカラーに取り入れた車両も運行されている[2]

運行開始の経緯 編集

六甲山上バスは、もともと阪神電鉄バスと神戸市バスにより運行されていた。 神戸市バスは六甲ケーブル山上駅から極楽茶屋間を運行していたが、昭和40年代に早々と廃止された。阪神電鉄バスは、六甲ケーブル山上駅から凌雲台間を運行していたが、尼崎市内の車庫から車両を回送して運行していたため効率が悪く、昭和50年代初頭に運輸省近畿陸運局に廃止を申し入れた。そこで免許の譲り受けに名乗りを上げたのが阪急バスである。当時、阪急バスは阪急六甲駅から六甲山ホテルの送迎バスを運行していたが、これに六甲山上の住民を有料で乗せていたことが発覚し、正式に路線免許を申請しようとしていたところだった。しかし、阪急バスが阪急六甲駅から凌雲台まで直通バスを運行すると、阪神電鉄子会社の六甲ケーブルの客を奪うことになり、六甲ケーブルの死活問題となるため、運輸省近畿陸運局は、阪急バスに対し阪神電鉄と直接話し合うように指導した。

結局、六甲ケーブル(六甲摩耶鉄道)が、自前で阪神電鉄バスの路線を引受けてバスを運行することになった。当初は阪神電鉄から中古のバスとOB運転士を譲り受け、企業防衛のための赤字覚悟のスタートだった。

なお、神戸市バスは、先述の路線のほか、六甲ケーブル山上駅と阪急六甲駅を結ぶ路線、摩耶ロープウェー摩耶山上駅(現・星の駅)と阪急六甲駅を結ぶ路線、六甲ケーブル山上駅と摩耶ロープウェー摩耶山上駅(現・星の駅)を結ぶ路線(現・六甲摩耶スカイシャトルバス)の3路線を有していたが、2004年4月に全て阪急バスに事業を譲渡している。

出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集