勝川春暁
江戸時代中期の浮世絵師。勝川春章の門人といわれる。号は鶴僊斎。
来歴 編集
勝川春章の門人といわれており鶴僊斎と号す。『諸家人名江戸方角分』によれば俗名は斎藤新蔵、浅草言助町に住み、さらに春暁には浮世絵師ではなく「画家」であることを示す符号が付けられている。作画期は天明から天保にかけての長きに及び、その間に大きな様式の変遷を見せる。錦絵の作例は非常に少なく、肉筆美人画が何点か知られる。天明期の作とされる「鏡を見る美人図」は春暁の代表作といえるものである。また「夕涼み二美人図」は寛政頃の制作とみられるが、顔貌の表現は師とされる春章の影響を脱し、同時期の喜多川歌麿の画風を思わせるところも若干窺える。天保2年(1831年)には狂歌本『時鳥三十六歌仙』の挿絵を描いている。
作品 編集
参考文献 編集
- 二代目瀬川富三郎 『諸家人名江戸方角分』 ※国立国会図書館デジタルコレクションに文政元年(1818年)の写本の画像あり。春暁(斎藤新蔵)の名は73コマ目に見える。
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- 『東京国立博物館所蔵 肉筆浮世絵』 東京国立博物館、1993年 ※109 - 110頁
- 『京都風俗画展 ―寛永から幕末まで―』 浮世絵太田記念美術館、1993年