原価計算基準(げんかけいさんきじゅん)とは、1962年大蔵省企業会計審議会が中間報告として公表した会計基準であり、原価計算に関する実践規範となっている。

当基準は1950年に経済安定本部企業会計基準審議会が審議を開始して以来、12年間の審議を経た後に公表された[1]。その後の高度経済成長は「原価計算基準」があったからこそ達成されたとも考えられている。基準の草案作りの作業は同審議会の第4部会(部会長 中西寅雄)で行われた[1]

費目、部門別原価計算がベースになっているこの原価計算基準は、今日まで一度も改定が加えられていないため、サービス部門の割合が増大している今日の企業ニーズに必ずしも一致していないという問題もある。

特に昭和50年代以降は見直しや改正についての意見が各方面から出されている[2]

目次

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原価計算基準の設定について
原価計算基準
第一章 原価計算の目的と原価計算の一般的基準
一 原価計算の目的
二 原価計算制度
三 原価の本質
四 原価の諸概念
五 非原価項目
六 原価計算の一般的基準
第二章 実際原価の計算
七 実際原価の計算手続
 第一節 製造原価要素の分類基準
八 製造原価要素の分類基準
 第二節 原価の費目別計算
九 原価の費目別計算
一〇 費目別計算における原価要素の分類
一一 材料費計算
一二 労務費計算
一三 経費計算
一四 費用別計算における予定価格等の適用
 第三節 原価の部門別計算
一五 原価の部門別計算
一六 原価部門の設定
一七 部門個別費と部門共通費
一八 部門別計算の手続
 第四節 原価の製品別計算
一九 原価の製品別計算および原価単位
二〇 製品別計算の形態
二一 単純総合原価計算
二二 等級別総合原価計算
二三 組別総合原価計算
二四 総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価
二五 工程別総合原価計算
二六 加工費工程別総合原価計算
二七 仕損および減損の処理
二八 副産物等の処理と評価
二九 連産品の計算
三〇 総合原価計算における直接原価計算
三一 個別原価計算
三二 直接費の賦課
三三 間接費の配賦
三四 加工費の配賦
三五 仕損費の計算および処理
三六 作業くずの処理
 第五節 販売費および一般管理費の計算
三七 販売費および一般管理費要素の分類基準
三八 販売費および一般管理費の計算
三九 技術研究費
第三章 標準原価の計算
四〇 標準原価算定の目的
四一 標準原価の算定
四二 標準原価の改訂
四三 標準原価の指示
第四章 原価差異の算定および分析
四四 原価差異の算定および分析
四五 実際原価計算制度における原価差異
四六 標準原価計算制度における原価差額
第五章 原価差異の会計処理
四七 原価差異の会計処理

参考文献

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  1. ^ a b 諸井勝之助、2012、「「原価計算基準」制定 50 年 (PDF) 」 、『LEC 会計大学院紀要』10号、LEC 会計大学院
  2. ^ 渡邉喜久『工業会計 -理論と計算-』同文舘出版、2004年、6頁。ISBN 4-495-15952-6 

関連項目

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