力学系において周期倍分岐(しゅうきばいぶんき、period-doubling bifurcation)とは分岐の一種である。

この分岐では、パラメータが変化していきある値に達すると、安定な不動点が不安定化し、その両側に安定な2周期点が発生する。

具体例 編集

 を実数、 を実数のパラメータとして、1次元写像

 

を考える。

  においては安定な不動点である( を満たす1周期点である)が、 においては不安定であり、また において

 

かつ

 

であることから、 は2周期点となっていて、かつ安定である。

従って、 が負から正に増加していく過程で0を跨ぐ瞬間に、安定な不動点(1周期点)が不安定化し、その代わりに安定な2周期点がその両側に生じたことになる。

このことから、上記の1次元写像は を境に周期倍分岐を起こしたと言う。

関連項目 編集

参考文献 編集

  • 小室元政(2005)『新版 基礎からの力学系 分岐解析からカオス的遍歴へ』、サイエンス社