嘉右衛門の宿(かえもんのしゅく)とは、愛知県岡崎市美合町にかつて存在したトラックドライバーのための無料休憩所である。

概要 編集

嘉右衛門の宿は1961年(昭和36年)に開設され、1985年(昭和60年)に閉鎖されるまでの24年間、国道1号を走行するトラックドライバーの無料休憩所として利用されていた。

その始まりは、当時美合町に在住していた高井武[1]が、国道1号の交通量増加により発生する交通事故を痛ましく思い、少しでもドライバーの疲労を軽減して、安全と休息を守るようにと願い開設した。とくに国道1号を走るトラックドライバーが無料で仮眠できる「宿」をと思い立ち、岡崎市の有力者たちの協賛を得て、高井自ら私財を投じた。運営は市が行った。

当時の宿の入口には掲示板があり、仮眠時間は夜20時から翌8時までであること、寝具を整理整頓すること、所定の場所以外で喫煙しないこと、などの注意書きがあった。

現在では跡地の駐車場の片隅に「嘉右衛門の宿」の碑[2]と、由来が書かれた碑並びに交通安全祈願の観音像が残されている。また蛍橋付近は岡崎源氏ボタル発生の地でもあり、併せて碑が建てられている。

所在地 編集

  • 愛知県岡崎市美合町五反田

交通アクセス 編集

脚注欄 編集

  1. ^ 新潟県出身。岡崎市に移り砂利採取業で成功。先祖は代々「嘉右衛門」を名乗っていたという。
  2. ^ 高さ約3メートル、厚さ約50センチメートル。裏側に「高井嘉右衛門」の名前。1962年10月15日建立。

関連項目 編集