噺本(はなしぼん)は、江戸時代戯作の一種。読本草双紙とともに、俗文学の一種。咄本とも表記される。

概要編集

滑稽本から派生しているが、短編であるという点が特徴である。笑い話や小咄を集めた集成本であり、落語川柳洒落本の原点などとの関係も深い。およそ元和寛永頃に誕生し、古くから挿絵も見られる。浮世絵の祖といわれる菱川師宣による『私可多咄』が絵師落款のある最初の作品とされる。その後、菱川派鳥居派勝川派北尾派喜多川派歌川派葛飾派など多数の浮世絵師が噺本の挿絵に携わっている。末期には黄表紙合巻風の噺本も制作され、その挿絵もこれに準じたものになっていった。

主な作品編集

  • 『私可多咄』 (中川喜雲作、菱川師宣画) 万治2年(1659年)の上方版は所蔵先不明、寛文11年(1671年)の鱗形屋版が現存
  • 『落噺生鯖船(おとしばなしいきさばぶね)』(玉虹楼一泉作、柳川重信画)文政3年(1820年)永寿堂版
  • 『百福物語』(恋川春町朋誠堂喜三二恋川行町合作、喜多川歌麿画)
  • 『落語の吹寄』(落語家連中作、歌川国利画) 明治18年(1885年) 長谷川忠兵衛梓