四つ子ぐらし

ひのひまりによる日本の児童小説

四つ子ぐらし』(よつごぐらし)は、ひのひまりによる児童文学シリーズ。著者は、第6回(2017年)角川つばさ文庫小説賞の特別賞を受賞したが、第5回(2016年)最終候補作品の「茉居家は四姉妹!」を改稿した本作でデビューした。角川つばさ文庫より2018年10月から発行されている。挿絵は佐倉おりこ。挿絵も担当している佐倉おりこの作画によって2021年2月発売の『コンプティーク』3月号よりコミカライズを連載[1][2]。ヨメルバでも掲載[3]。同年3月にはYouTubeのKADOKAWA児童図書チャンネルにてボイスドラマが、同年9月にはコミカライズ第1巻の発売を記念し、KADOKAWAオフィシャルチャンネルにてボイスコミックが配信された[4]。2023年2月時点で、部数が160万部を突破している[5]

四つ子ぐらし
著者 ひのひまり
イラスト 佐倉おりこ
発行日 2018年10月
発行元 角川つばさ文庫
ジャンル 児童文学
日本の旗 日本
言語 日本語
コード ISBN 978-4-04-631840-4
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あらすじ 編集

両親も親戚もおらず、児童養護施設で暮らす宮美三風は12年間一人ぼっちだと思っていたが、ある日、福祉省の人間から実は四つ子であることを告げられる。それぞれ別の場所で育った四姉妹が、福祉省が進める「中学生自立練習計画」の下、ひとつ屋根の下で共に暮らすことになり、思わぬすれ違いを生みながらも姉妹生活が始まる。

登場人物 編集

声優名はボイスドラマ版 / ボイスコミック版の順に記載。

宮美家 編集

物語開始時点の13年前の4月25日[注釈 1]に各地の施設に預けられた一卵性の四姉妹。血液型はA型。長らく別々の場所で育つが「中学生自立練習計画」に参加したことで再会を果たす。母親が株式会社クワトロフォリア」を経営する四ツ橋家の人間であることが明かされているが、父親は詳細不明。母親は5巻上「初恋の人の正体」で四ッ橋麗の双子の姉:四ッ橋雅だと四つ子たちは知った。名前を長女→次女→三女→四女の順番に並べると、[一二三四]と[花鳥風月]になる[6]

宮美 三風(みやび みふ)
声 - 熊倉安理紗 / 花守ゆみり[7]
三女。本作の主人公で語り手。一人称は「」。髪型三つ編み[注釈 2]まじめで少し内気性格。三人ともちゃん付けで呼ぶが、一花と二鳥をまとめてお姉ちゃんと呼ぶこともある。五年生の時は手芸クラブで、六年生の時はイラストクラブだった。美術部所属。クラスメートの野町湊が好き。
宮美 一花(みやび いちか)
声 - 吉北梨乃 / 東山奈央[7]
長女。一人称は「私」。髪型はポニーテール[注釈 3]家事が得意なしっかり者。元不良少女で怒らせると怖い[注釈 4]。三人とも呼び捨てで呼ぶ。小学生のころ、ミニバスケ選手だった。バスケ部所属。
不良だった頃、バスケや勉強を教えてくれた上嶋千草に憧れている。
宮美 二鳥(みやび にとり)
声 - 細川美菜子 / 愛美[7]
次女関西弁で喋り、一人称は「うち」。髪型はツインテール[注釈 5]。元気いっぱいのムードメーカー。一花のみ呼び捨てで呼ぶが、三風と四月はちゃん付けで呼ぶ。4歳から12歳のころは、大阪の池谷家の養子[注釈 6]に入っていた。部活には所属しておらず、陸上部、合唱部、ダンス部に気分で参加している。従兄弟の四ツ橋李央が好き。
宮美 四月(みやび しづき)
声 - 水谷麻鈴 / 山根綺[7]
四女眼鏡をかけており[注釈 7]、一人称は「」で、いわゆるボク少女である。髪型はハーフアップ[注釈 8]人見知りだが、成績優秀で推理力抜群。三人とも姉さんと呼ぶ。小学生のころにいじめられ、人付き合いが苦手になっていた。新聞部所属。直幸のことが気になる。

四つ子の支援者 編集

富士山 鷹雄(ふじやま たかお)
声 - 前堂友昭 / 小野健一
自立支援計画を担当する福祉省所属の男性。一人称は「僕」。四つ子に自立ミッションの課題を毎週出す。

四つ子の友人・知人など 編集

野町 湊(のまち みなと)
声 - 梶田大嗣
写真部所属。三風のクラスメイト写真撮影が趣味。大河内姉弟と幼馴染み。一人称は「」。
大河内 杏(おおこうち あん)
新聞部所属。直幸の双子。自分の意見をハキハキ言う性格。湊と幼馴染み。湊のことが好き。
大河内 直幸(おおこうち なおゆき)
新聞部所属。杏の双子の。人見知りで眼鏡をかけている。イラストが得意。湊と幼馴染み。二鳥と同じクラス。普段は優しいが、9巻では四月をいじめた早乙女志寿佳に強い怒りを向けており、怒ると怖い。
遠藤 ういな(えんどう ういな)
歴史部所属。三風のクラスメイト。のんびり屋な性格。平安時代の暮らしに憧れている。
望月 紀美香(もちづき きみか)
四月のクラスメイトで呼び名は「ミカちゃん」。勉強が得意。
上嶋 千草(うえしま ちくさ)
一花が憧れているバスケが得意な人。一花より6歳年上。一花と同じ里親さんの家で暮らしていた。
竹永 凛々(たけなが りり)
女子バスケ部。運動得意で体力も高い。
王野 瑞希(おうの みずき)
女子バスケ部。長身でおとなしい。
求原 えりか(もちはら えりか)
女子バスケ部。前向きなムードメーカー。
龍崎 碧(りゅうざき あおい)
女子バスケ部。足が速い。
古川 英莉(ふるかわ えいり)
小学生の頃の四月の友人。いじめから四月をいつもかばっていた。
厚見 玲奈(あつみ れいな)
バスケ部部長。
音羽 春歌(おとわ はるか)
合唱部部長。
音羽 舞耶(おとわ まや)
ダンス部部長。
阿藤 えみ(あとう えみ)
美術部の二年生。
香束 撫子(かたば なでしこ) 
季央の婚約者だった子。実は男子で父に無理矢理女子として育てられた。その後四つ子の協力もあって本当の自分を取り戻し、現在は再会した母親や新たに出来た妹と弟らと暮らしている。

四つ子の親族 編集

四ツ橋 麗(よつばし うらら)
四つ子の母親を名乗る女性。「クワトロフォリア」社長夫人。前述の通り1巻では母親を名乗り、四月を引き離そうとしたため四つ子に非難されたが、実は四つ子の実母・雅の双子の妹で四つ子の叔母。姉や四つ子に複雑な感情を抱く。
四ツ橋 桃希(よつばし とうき)
麗の長男。李央の双子のアイドルグループ「リュミファイブ」の最年少メンバー「椿吉トウキ」という顔を持つ。
7巻では、「クワトロフォリアをぶっつぶす」という夢を抱いていた。
四ツ橋 李央(よつばし りお)
麗の次男。桃希の双子の弟。父の後継者として育つ。トウキの隠れファン。
四ツ橋 雅(よつばし みやび)
四つ子の実母。麗の双子の姉。
四つ子を身ごもった直後に行方をくらまし[注釈 9]、現在は法的に死亡したものと見なされている
18歳を過ぎたころ、妹:麗に「もう、家に戻らない」と電話で伝えた。

リュミファイブ 編集

宇賀 すばる(うが すばる)
リュミファイブのリーダー。
日南 ユイ(ひなみ ゆい)
リュミファイブのかわいい担当。人懐こい少年。
芥子川 東(けしかわ あずま)
リュミファイブの不良風少年。
霧谷 颯介(きりたに そうすけ)
リュミファイブの長身少年。

クワトロフォリア 編集

四ツ橋 竹彦(よつばし たけひこ)
クワトロフォリア元社長。非常に自分勝手で心ない性格の持ち主。
四ツ橋 梅枝(よつばし うめえ)
竹彦の妻。
四ツ橋 菊蔵(よつばし きくぞう)
四つ子の実祖父でクワトロフォリア元副社長。竹彦とは異母兄弟。
四ツ橋 蘭子(よつばし らんこ)
四つ子の実祖母で菊蔵の妻。良識的な性格。
四ツ橋 松太郎(よつばし しょうたろう)
クワトロフォリア現社長。竹彦と梅枝の息子で麗の夫。

その他 編集

雪村(ゆきむら)
李央の執事で主治医。
香束 勝臣(かたば かつおみ)
IT企業の社長。撫子の父。息子に撫子と名付け、李央と結婚させようと女子として育てた張本人。撫子への愛情も皆無。
朝日 小百合(あさひ さゆり)
撫子の母で勝臣の元妻。現在は大樹と再婚している。
朝日 大樹(あさひ だいき)
小百合の再婚相手。撫子を小百合の息子と知ると快く引き取るなど良識的な性格。
朝日さくら(あさひさくら)
撫子の異父妹。撫子を「撫子お兄ちゃん」と呼び、慕っている。
朝日柊(あさひしゅう)
撫子の異父弟。撫子と小百合が再会した日に生まれた。撫子が名付け親。

既刊一覧 編集

小説 編集

漫画版 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 出生日が不明なため、この日が四つ子の誕生日ということになっている。
  2. ^ なお、物語開始時は髪を下ろしていた。
  3. ^ なお、物語開始時は髪を下ろしていた。
  4. ^ 実際に2巻では家族を引き離そうとする麗に対して「~じゃねえ!」「ふざけんな!」言っていたり、9巻では四月をいじめた早乙女さんに向かって「だまれ。失せろ。」と言っていたりと不良少女を思わせる発言をしていた。
  5. ^ なお、物語開始時は髪を下ろしていた。
  6. ^ 二鳥曰く「書類の上ではお父ちゃんとお母ちゃんのほんまの子ども、ってことになってた」。
  7. ^ 1巻の表紙や登場人物紹介のページでは眼鏡をはずした姿も見ることができる。
  8. ^ そのため、前述の3人に比べると、髪飾りが見えるのはごくまれである。
  9. ^ 生後間もない三風を預けた女性との関連は不明。

出典 編集

  1. ^ sakura_orikoの2021年1月10日のツイート2021年11月3日閲覧。
  2. ^ “児童ノベルの「四つ子ぐらし」コミカライズなどコンプティークで一挙4本新連載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年2月10日). https://natalie.mu/comic/news/415824 2023年2月12日閲覧。 
  3. ^ マンガ「四つ子ぐらし」2月中旬連載スタート!”. ヨメルバ (2021年1月10日). 2021年11月3日閲覧。
  4. ^ a b “「四つ子ぐらし」マンガ版1巻、花守ゆみりらが姉妹演じるボイスコミック公開”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年9月10日). https://natalie.mu/comic/news/444664 2023年2月12日閲覧。 
  5. ^ 角川つばさ文庫公式 2023年2月10日のツイート2023年2月12日閲覧。
  6. ^ 「四つ子ぐらし」ひのひまりさんが読者のみんなからの質問にこたえてくれたよ! | つばさ講座”. 角川つばさ文庫. 2023年1月20日閲覧。
  7. ^ a b c d comptiqの2021年9月10日のツイート2021年11月3日閲覧。
  8. ^ 「四つ子ぐらし(1)ひみつの姉妹生活、スタート!」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  9. ^ 「四つ子ぐらし(2)三つ子探偵、一花ちゃんを追う!」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  10. ^ 「四つ子ぐらし(3)学校生活はウワサだらけ」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  11. ^ 「四つ子ぐらし(4)再会の遊園地」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  12. ^ 「四つ子ぐらし(5)上 初恋の人の正体」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  13. ^ 「四つ子ぐらし(5)下 お母さんとペンダントのひみつ」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  14. ^ 「四つ子ぐらし(6)夏のキャンプは恋の予感」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  15. ^ 「四つ子ぐらし(7)嵐の日は大さわぎ!」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  16. ^ 「四つ子ぐらし(8)新学期は事件がいっぱい!」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  17. ^ 「四つ子ぐらし(9)四月ちゃんの決意」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  18. ^ 「四つ子ぐらし(10)四つ子記者と七ふしぎのナゾ」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  19. ^ 「四つ子ぐらし(11)転校生はいとこでアイドル!?」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  20. ^ 「四つ子ぐらし(12)秋の遠足と仲直りの方法」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  21. ^ 「四つ子ぐらし(13)プレゼントに思いをこめて」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  22. ^ 「四つ子ぐらし(14)四ツ橋家で勝負の時!」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年3月8日閲覧。
  23. ^ 「四つ子ぐらし(15)本当の自分を取りかえせ!」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年10月11日閲覧。
  24. ^ 「四つ子ぐらし(16)希望をつかむ勇気」ひの ひまり 角川つばさ文庫”. KADOKAWA. 2023年11月9日閲覧。
  25. ^ 「四つ子ぐらし 1」佐倉 おりこ 角川コミックス・エース”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  26. ^ 「四つ子ぐらし 2」佐倉 おりこ 角川コミックス・エース”. KADOKAWA. 2023年2月12日閲覧。
  27. ^ 「四つ子ぐらし 3」佐倉 おりこ 角川コミックス・エース”. KADOKAWA. 2023年7月10日閲覧。

外部リンク 編集