ナファゾリン(naphazoline) は、血管収縮剤として利用される有機化合物。一般的には塩酸塩として用いられる。

ナファゾリン
IUPAC命名法による物質名
薬物動態データ
生物学的利用能?
代謝?
排泄?
データベースID
CAS番号
835-31-4 ×
ATCコード R01AA08 (WHO)
PubChem CID: 4436
DrugBank DB06711 チェック
ChemSpider 4283 チェック
UNII H231GF11BV チェック
KEGG D08253  チェック
ChEMBL CHEMBL761 チェック
化学的データ
化学式C14H14N2
分子量210.274
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性質

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無臭の白い粉末で、味はとても苦い。に溶けやすく、水溶液酸性を示す。エタノールにはやや溶けやすく、酢酸には難溶。融点は約240℃から260℃。

ナファゾリン CAS登録番号 分子式 モル質量
g mol−1
日化辞番号 PubChem
ナファゾリン 835-31-4 C14H14N2 210.28 J7.133A 4436
塩酸塩 550-99-2 HCl C14H14N2 246.74 J262.810D 11079
硝酸塩 5144-52-5 HNO3 C14H14N2 273.29 J300.553D 21225

用途

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主に二つに分けられる。

  • ひとつは、点眼薬としての利用で、目が充血した際にナファゾリンの血管収縮作用で粘膜に直接適用させ、充血を抑える。
  • ふたつめに点鼻薬としての利用で、鼻炎症患者の鼻腔内で腫脹ができ、鼻づまりがある際に腫脹を縮小させ鼻づまりを改善させる。
近年、経鼻上部消化管内視鏡の前処置として、点鼻されている。

注意

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  • ナファゾリン塩酸塩は、滞留時間が長いため依存性が非常に強く、刺激もあるため大量に投与してはならない。また長期連用は避けること。
  • MAO阻害剤を併用すると、アドレナリン作動薬であるナファゾリンの昇圧作用がMAO阻害剤によって増強され、急激な血圧上昇を引き起こす可能性があり、最悪の場合、死に至る可能性もある。

効能・効果

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  • 表在性充血(原因療法と併用)
  • 上気道の諸疾患の充血・鬱血、上気道粘膜の表面麻酔時における局所麻酔剤の効力持続時間の延長