大西 酔月(おおにし すいげつ、生年不詳 - 明和9年(1772年))は、江戸時代中期の絵師。字は希蟾(きせん)。酔月は号で、別号に自明、西至。京都出身。

『画乗要略』では望月玉蟾(もちづき ぎょくせん)に学び、山水画・人物画を得意としたとされ、晩年は時代の古画を良くしたとされる。松村月渓の最初の師といわれるが、詳細は不明。明和5年(1768年)版の『平安人物志』画家の項目では、円山応挙伊藤若冲池大雅与謝蕪村らを押しのけて冒頭に挙げられているが、現在残っている作品は10点に満たない。明和9年(1772年名古屋で客死した。

現存作品

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作品名 技法 形状・員数 所有者 年代 落款・印章 備考
高士騎牛図 絹本著色 1幅 京都府立総合資料館京都文化博物館管理)
花鳥人物押絵貼屏風 紙本墨画 六曲一双 個人
唐仙人・唐美人図 絹本墨画淡彩 双幅 個人
竹虎図 紙本墨画 1幅 妙心寺塔頭・大法院 落款「西酔月画」/「中明之印」白文方印・「酔月」朱文方印 朝鮮絵画風の虎図[1]
雲龍図 岡山・普賢院
雲龍図 香川與田寺

脚注

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  1. ^ 花園大学歴史博物館ほか編集 『花園大学歴史博物館開館十周年記念 大法院展 真田家佐久間象山ゆかりの文化財』 花園大学歴史博物館、2005年4月2日、pp.34、80。

参考資料

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  • 展覧会図録 『近世京都の狩野派展』 京都文化博物館、2004年
  • 展覧会図録 『京都文化博物館開館10周年記念特別展 京(みやこ)の絵師は百花繚乱 「平安人物志」にみる江戸時代の京都画壇』 京都文化博物館、1998年