姫塚古墳(ひめづかこふん)は、滋賀県長浜市高月町東柳野にある古墳。形状は前方後方墳。物部古墳群を構成する古墳の1つ。滋賀県指定史跡に指定されている。

姫塚古墳
別名 へい塚古墳[1]
所属 物部古墳群
所在地 滋賀県長浜市高月町東柳野
位置 北緯35度28分12.55秒 東経136度13分6.55秒 / 北緯35.4701528度 東経136.2184861度 / 35.4701528; 136.2184861座標: 北緯35度28分12.55秒 東経136度13分6.55秒 / 北緯35.4701528度 東経136.2184861度 / 35.4701528; 136.2184861
形状 前方後方墳
規模 墳丘長80m
埋葬施設 不明
築造時期 4世紀中葉以前
史跡 滋賀県指定史跡「姫塚古墳」
特記事項 前方後方墳としては滋賀県第1位の規模
地図
姫塚古墳の位置(滋賀県内)
姫塚古墳
姫塚古墳
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概要 編集

滋賀県北部、余呉川左岸の平野部に築造された古墳である[2]。一帯では本古墳のほか長塚古墳・瓢塚塚古墳・横山神社古墳などが知られ、本古墳とともに物部古墳群を形成する[2]。これまでに前方部部分が大きく削平を受けているほか[1]2001年度(平成13年度)に発掘調査が実施されている[3]

墳形は前方後方形で、前方部を南南東方向に向ける(発掘調査以前は前方後円墳と想定された)。墳丘長は約80メートルを測る(現存約70メートル)[3]。墳丘表面では葺石列が確認されているが、埴輪は認められていない[4]。墳丘周囲には周濠が巡らされており、周濠を含めた古墳全長は115-120メートルにもおよぶ[3]。埋葬施設は明らかでない。

この姫塚古墳は、墳形・葺石から古墳時代前期の4世紀中葉以前の築造と推定される[3]。滋賀県内の前方後方墳としては最大規模であるとともに、平野部に築造された大型の前方後方墳である点で特色を示す古墳である[3]。周辺一帯は本古墳のほか小松古墳・大森古墳など計11基が前方後方墳の集中する地域として知られるが、西方丘陵上の古保利古墳群では平野部の前方後方墳と並行する時期に前方後円墳も築造されており、当地域の政治情勢を考察するうえで注目される[3]

古墳域は1982年昭和57年)に滋賀県指定史跡に指定されている[5]

文化財 編集

滋賀県指定文化財 編集

  • 史跡
    • 姫塚古墳 - 指定範囲面積は1,602平方メートル。1982年(昭和57年)3月31日指定[5]

脚注 編集

参考文献 編集

  • 史跡説明板(滋賀県教育委員会、1990年設置)
  • 地方自治体発行
    • 「姫塚古墳」 (PDF) 滋賀県教育委員会事務局文化財保護課、2004年(滋賀県総合教育センター「滋賀県文化財学習シート」)
    • 「長浜市の遺跡4 姫塚古墳・大森古墳」 (PDF) 長浜市教育委員会、2013年(長浜市遺跡パンフレット)
  • 事典類
    • 「物部古墳群」『日本歴史地名大系 25 滋賀県の地名』平凡社、1991年。ISBN 4582490255 
    • 黒坂秀樹「姫塚古墳」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607 
    • 別所健二「姫塚古墳」『続 日本古墳大辞典東京堂出版、2002年。ISBN 4490105991