婆提梨迦(ばだいりか、名前については後述)は、釈迦仏が悟りを開いて最初に教化された五比丘の一人。

名前 編集

彼の名前は、経典などにより表記が異なるため、主なものを表記する。

  • サンスクリット語:Bhadrika,Bhadraka
  • パーリ語:Bhaddiya
  • カタカナ表記:バドリカ、バッディヤなど
  • 他の音写:跋提梨迦、婆帝梨迦、跋陀羅、跋多婆など
  • 音写(略):跋提、婆提、跋直など
  • 訳(意訳含む)・意味:小賢、賢善、有賢、仁賢、最勝、善勝など

Bhaddiyaという比丘の名前は、『雑阿含経』22.20、テーラガータ842-865などにも見えるが、これは本項の人物ではなく、それぞれ別人とされる。この他にも同名の優婆塞や人名があるが、これらももちろん別人である。

人物 編集

彼の人物や伝記はあまり多くない。

基本的には、彼は他の五比丘と同じく、バラモン種の出身とされている。釈迦の実父である浄飯王の命により、出家後の釈迦の身辺警護などを目的として同行した。しかし釈迦が苦行を捨てて林から出たのをみて、苦行に耐えられず修行を止めたと怪しんで釈迦の元から去った。しかして後に釈迦は菩提樹下で悟りを開き成道して鹿野苑に赴き、彼ら五比丘に向かって最初に法を説いた(初転法輪)。その初転法輪で、阿若・憍陳如に続いて彼も阿説示婆敷と共に預流果に達したといわれる。