忍者返しの岩

東京都青梅市の御岳渓谷にある、ボルダリングの岩

忍者返しの岩(にんじゃがえしのいわ)は、東京都青梅市御岳渓谷にある、ボルダリングの岩(ボルダー)[1]

概要

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東京 御岳(御嶽)多摩川沿いにある、日本を代表するボルダリングの岩(ボルダー)である。岩質はチャートで、所謂「外岩」。

その中心には日本のボルダリング史上最も有名な課題であり、段級グレードのテストピースとされる『忍者返し』一級の他、国内で代表的な段の課題、蟹、虫、蛙など、今もってな高難度かつ内容の色褪せない課題を複数擁している他、都心から電車だけでアクセスできることもあり、年間を通して常にボルダラーが絶えない岩(ボルダー)である。また、御岳の中の岩としては大きさもある為、課題数は多い。

世界的に最もオーバーユースの岩(岩場)としても認識されており、ホールドの欠損により「蟹」がグレードダウンしたり、「クライマー返し」のホールドが変化するなどしてはいるものの、クライマーの丁寧な利用(ブラシの質やかけ方)により岩の変化は十数年前と比較しても劇的では無いのが救いである。一方、河原の岩の為、台風などにより取り付き(の高さ)は度々変化しているが、マットの普及によりグレードが変わるほどでは無いと思われる。

開拓には池田功、草野俊達、室井登喜男 他、日本のクライミング黎明期を代表するクライマーが顔を揃えており、歴史的にも非常に重要な岩(ボルダー)である。

2018年12月24日夜から翌25日朝までの間にチッピング(人為的に工具によって切削)被害に遭い「忍者返し」を含む複数の課題が失われた。[2]

複数の書籍にて「御岳の超有名課題」[3]、「関東圏では一番人気のエリア」[4]、「段級グレードシステムの基準」[5]などの紹介がある。

ルート(課題)は25本以上存在し、グレード別では1級:10本、初段:8本、二段:3本、三段以上:3本、となっている[1]

ルートと課題

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以下に、岩壁に存在する課題と草野俊達による「段級グレード」[要出典]を列挙する。

課題名 グレード 初登者 備考
肺魚 二段 大西良治
[5][1] 三段 室井登喜男 1998年12月
忍者返し[5] 1級 池田功 82〜83年
[5][1] 二段 草野俊達 1994年10月
[1] 三段 草野俊達 1996年5月
蟹虫 四段 小山田大 2001年3月
蜥蜴(トカゲ)[6] 四段[6] 大西良治[6] 2015年3月24日[6]
素上り 初段 大原秋彦 2001年2月
クライマー返し 初段 山崎順一 1985年1月
子供返し 初段 寺島由彦 1990年
亀クライマー返し 二段
忍者クライマー返し 二段
蟹亀返し[7] 四段ー 小山田大 2006年1月0
亀返し 初段 室井登喜男 1997年6月

アクセス

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JR青梅線御嶽駅より青梅街道を渡り、バス停横から河原に降りる。車では青梅街道か、吉野街道で青梅より15分程度[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 御岳ボルダー”. 山と渓谷社. 2016年1月19日閲覧。
  2. ^ 2018年12月26日. “御岳ボルダーの忍者岩とデッドエンドの岩でチッピング”. 雪山大好きっ娘。+. 2018年12月27日閲覧。
  3. ^ 井上大助『アウトドア・クライミング (OUTDOOR PERFECT MANUAL)』エイ出版社、2010年2月25日、175頁。ISBN 978-4777915392 pp.36.上段写真説明。
  4. ^ PUMP『ボルダリングからはじめよう! Enjoyフリークライミング』日東書院本社、2010年9月25日、96頁。ISBN 978-4528011755 pp.79.
  5. ^ a b c d 渡邉数馬『実践テクを極める! ボルダリングレベルアップのコツ (コツがわかる本!)』メイツ出版、144頁。ISBN 978-4780414653 pp.135.
  6. ^ a b c d 御岳・蜥蜴(とかげ)四段、大西良治が初登”. 山と溪谷社 (2015年5月14日). 2016年1月21日閲覧。
  7. ^ “初岩登り、蟹亀返し! | dai's diary” (日本語). dai's diary. http://koyamada.dai.hiho.jp/?eid=248383 2018年5月23日閲覧。 

参考文献

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外部リンク

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