恋の人形
『恋の人形』(こいのにんぎょう、Cytherea)は、サイレント時代の1924年に公開されたアメリカ合衆国の映画で、ジョージ・フィッツモーリスが監督し、アルマ・ルーベンス、ルイス・ストーン、コンスタンス・ベネット、ノーマン・キャリーらが出演した恋愛映画。原作は、ジョセフ・ハーゲシャイマーの小説『Cytherea, Goddess of Love』で、フランシス・マリオンがこれを翻案して映画用の脚本を書いた。この作品の中には、夢の中を描いた場面が2か所あり、初期のテクニカラーによるカラー撮影がなされた[1]。この作品は、別名で『The Forbidden Way』ともいった。
恋の人形 | |
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Cytherea | |
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監督 | ジョージ・フィッツモーリス |
脚本 | フランシス・マリオン(翻案) |
製作 | サミュエル・ゴールドウィン |
出演者 |
アルマ・ルーベンス コンスタンス・ベネット ノーマン・キャリー ルイス・ストーン アイリーン・リッチ |
撮影 |
アーサー・C・ミラー J. A. Ball(テクニカラー・コンサルタント) |
編集 | スチュアート・ヘイスラー |
製作会社 |
サミュエル・ゴールドウィン・プロダクションズ Madison Productions |
配給 | アソシエイテッド・ファースト・ナショナル |
公開 |
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上映時間 | 80分 |
製作国 |
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言語 |
サイレント映画 英語のインタータイトル |
あらすじ 編集
リー・ランドンは、妻ファニーとの穏やかな生活に満ち足りないものを覚えていた。彼は愛の女神の名からシセリアと名付けた人形を飾り、その人形のような女性と、彼が夢見る楽園キューバへ行って見たいものだと夢想していた。そんな折に、姪のクレアが、夫が愛人を作って家を出て行ったと泣きついてきた。リーは、その愛人の住まいへと談判に行くこととなったが、...[2]
キャスト 編集
- アイリーン・リッチ - ファニー・ランドン (Fanny Randon)
- ルイス・ストーン - リー・ランドン (Lee Randon)
- ノーマン・キャリー - ペイトン・モリス (Peyton Morris)
- ベティ・ボートン - クレア・モリス (Claire Morris)
- アルマ・ルーベンス - サヴィナ・グローヴ (Savina Grove)
- チャールズ・ウェルズリー - ウィリアム・グローヴ (William Grove)
- コンスタンス・ベネット - アネット・シャーマン (Annette Sherman)
- ピーチズ・ジャクソン - ランドン家の子ども (Randon Child)
- ミッキー・ムーア - ランドン家の子ども (Randon Child)
- ヒュー・サクソン (Hugh Saxon) - ランドン家の執事 (Randon Butler)
- リー・ヒル - グローヴ家の執事 (Grove Butler)
- リディア・イェーマンズ・タイタス - 洗濯女 (Laundress)
- ブランドン・ハースト - ダニエル・ランドン (Daniel Randon)
制作 編集
この作品は、 サミュエル・ゴールドウィン・プロダクションズが制作し、アソシエイテッド・ファースト・ナショナル映画からリリースされた。本作は、それまでのテクニカラーによるカラー映像が、屋外の自然光によって制作されていたのに対し、初めて人工的な照明によって作られたテクニカラー映画であった[1]。
保存状況 編集
脚注 編集
- ^ a b Progressive Silent Film List: Cytherea at silentera.com
- ^ 恋の人形 - 映画.com - ネタバレを含むあらすじが記載されている。:なお、「ストーリー」では、人形の名が「セシリア」と記されているが、原題でもある Cytherea は、ギリシア神話におけるアプロディーテーの別称「キュテレイア (Κυθέρεια)」に由来する名であり、キリスト教の聖人カエキリア (Caecilia)(聖セシリア)に由来するセシリア (Cecilia) とは異なるので、ここでは「シセリア」としている。
- ^ The Library of Congress American Silent Feature Film Survival Catalog: Cytherea
関連項目 編集
外部リンク 編集
- Cytherea - IMDb(英語)
- Cytherea (1924) - オールムービー(英語)
- Stills at silenthollywood.com