悪魔が夜来る』(あくまがよるくる、Les Visiteurs du Soir)は1942年マルセル・カルネ監督によるフランスファンタジー映画[1]。48年度キネマ旬報ベスト・テン7位。

悪魔が夜来る
Les Visiteurs du Soir
監督 マルセル・カルネ
脚本 ジャック・プレヴェール
ピエール・ラロシュ
出演者 アルレッティ
アラン・キュニ
撮影 ロジェ・ユベール
公開 フランスの旗 1942年12月5日
日本の旗 1948年7月27日
上映時間 123分
製作国 フランスの旗 フランス
言語 フランス語
テンプレートを表示

ストーリー 編集

15世紀のフランスにて、ユーグ男爵の城で娘のアンヌと騎士ルノーの婚約披露宴が開かれており、各所から芸人たちが集められた。悪魔のしもべであるジルと吟遊詩人に化けて会場に侵入し、アンヌとルノーを引き離し、それぞれの手中に収める。さらに、ドミニクはユーグ男爵に近づいて彼をとりこにする。後日、ルノーはドミニクと男爵が仲良くする様子を見て嫉妬し、決闘を申し出る。悪魔の力添えにより男爵が勝利をおさめ、ルノーは死す。

一方、アンヌを本気で愛してしまったジルは、悪魔の怒りを買い、牢屋で拷問の日々を過ごすが、アンヌへの思いを捨てなかった。悪魔はジルを解放するから俺の言いなりになれとアンヌを口説き、ジルの説得もむなしく、彼女はそれを承知する。その後、自由と引き換えにアンヌを忘れてしまったジルは城を去るが、アンヌは彼とキスを交わした場所に行きたいと悪魔に申し出る。悪魔は渋々承知しつつも、アンヌがジルに泉の水を飲ませてすべてを思い出させたところで、二人を石像に変える。ところが、二人の心臓は一つになって生きており、悪魔がどれだけ石像を叩いても鼓動を止めることはできなかった。

キャスト 編集

制作 編集

1930年代フランス映画の黄金期を作り上げた映画監督たちは、第二次大戦のあいだ殆ど難を逃れて海外にいたが、マルセル・カルネはフランス国内に留まって制作活動を続け、フランス映画の伝統を守った。このため、マルセル・カルネはレジスタンスの作家であると評価され、また本作にもナチズムに対する比喩的な抵抗が見られる[2]

出典 編集

  1. ^ kinenote.
  2. ^ 岡田晋『映画史上ベスト200シリーズ・ヨーロッパ映画200』、キネマ旬報、1984年

外部リンク 編集