愛娘にさよならを』(まなむすめにさよならを)は、秦建日子による日本推理小説。「刑事・雪平夏見シリーズ」の第4作。前作から約3か月後の物語。

愛娘にさよならを
著者 秦建日子
発行日 2011年9月30日
発行元 河出書房新社
ジャンル 推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 264
前作 殺してもいい命
コード ISBN 978-4-309-02053-2
ウィキポータル 文学
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あらすじ

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犯人から3発の銃弾を受けた雪平夏見は、体に後遺症が残り、刑事として復帰することは難しいと宣告され、捜査一課を離れる。

新しく上司になった島津管理官に自宅に誘われ、警察官人生で初めて同僚たちとの楽しい団欒の時を過ごす。その帰り道、マンションの玄関で男とすれ違った雪平が、しばらく経ってから“刑事の勘”で島津家に戻ると、先刻すれ違った男に惨殺された島津夫妻の姿があった。雪平は犯人と格闘したものの、体にハンデを抱えていたため取り逃がしてしまう。

山路捜査一課長の理解もあり、元相棒の安藤の協力で独自に犯人を追うが、島津夫妻と同じような状態で殺される別の事件が発生する。

登場人物

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警視庁警務部

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雪平 夏見(ゆきひら なつみ)
警視庁警務部監査官室、警部補。以前は捜査一課で検挙率一位を誇る刑事だったが、事件で受けた銃弾による内臓損傷で左腕に麻痺が残り、異動した。
島津 幸則(しまづ ゆきのり)
警視庁警務部監査官室管理官、警視。雪平の上司。妻・晴子と2人暮らしのマンションに雪平ら部下を招いた日に、何者かに殺害される。
藤川 紀子(ふじかわ のりこ)
警視庁警務部監査官室、警部補。

警視庁刑事部

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安藤 一之(あんどう かずゆき)
警視庁刑事部捜査一課強行犯係。雪平の捜査一課時代の相棒。
林堂 航(りんどう わたる)
警視庁刑事部捜査一課強行犯係、警部補。
平岡 朋子(ひらおか ともこ)
警視庁刑事部捜査一課強行犯係。
山路 徹夫(やまじ てつお)
警視庁刑事部捜査一課、課長。
羽田 智夫(はだ ともお)
警視庁刑事部、部長。

事件関係者

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門田 祐司(かどた ゆうじ)
経済学者。戸山大学准教授。『オオクラ昼ず!!』のコメンテーター。妻・香苗は妊娠中。過去に、香苗の連れ子を川の事故で亡くしている。
佐久間 健一(さくま けんいち)
大学病院勤務の小児科医。婚約者の川上美保とは6年前に結婚を延期し、一時は別れ話も出たが、再度の婚約に至った。
緒方 美津雄(おがた みつお)
小学校教諭。
鈴木 太郎(すずき たろう)
島津夫妻を殺害した、野球のユニフォームを着た小太りの中年男。
清水 年男(しみず としお)
片足を引きずっている日雇い労働者の老人。佐久間のマンションの向いのウィークリーマンションの住人。
袴田 稔(はかまだ みのる)
ロック好きの解体工。

その他

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大倉 友秋(おおくら ともあき)
東日本テレビで平日の午後に放送されている情報バラエティ番組『オオクラ昼ず!!』のキャスター。
上居 雅和(かみい まさかず)
東日本テレビ『オオクラ昼ず!!』のプロデューサー。
谷中 絵里(たになか えり)
両国法律事務所の弁護士。美央の親権を巡って悩む雪平に島津が紹介した。
佐藤 美央(さとう みお)
雪平の娘。父・和夫が亡くなり、現在は祖父母と暮らしている。
佐藤 和明(さとう かずあき)・靖子(やすこ)
美央の父方の祖父母。疫病神である雪平を頑なに拒み、美央を佐藤家の養女にすることを持ちかけている。

出典

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